若手に「教」えて「育」てれば、5年で一人前になる【がんばれ建設1610】
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がんばれ建設
~建設業専門の業績アップの秘策~
ハタ コンサルタント株式会社 降 籏 達 生
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■2020年8月28日
NO1610
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今日の一言
「教育には『教』と『育』がある」
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最近、体系的に社員教育をしたい、というお話をよく聞きます。
では、どういう方法で教育すれば効果的なのでしょうか。
「教育の本質」について、考えてみましょう。
わが国の品質管理の創始的存在と言われる故・西堀榮三郎氏の著書に、
教育の本質について書かれている一節があります。
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「教育には『教』と『育』があり、『教』はロジックでもって
知識を授ける方法であるが、『育』は自らが体験し、
その体験のなかから学んでいく方法である。
(中略)
したがって、リーダーに必要なことは部下を教育するにあたって、
ただ知識を授けるだけでなく『育』になるように、
生きた知識を獲得するチャンスを与えることだと思う」
出典:『ものづくり道』西堀榮三郎著(WAC出版)
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人づくりに並々ならぬ情熱を傾けた松下幸之助の
教育に関する持論は以下のようなものでした。
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「経営学は学べるが、生きた経営のコツは、
教えてもらって『分かった』というものではない。
一つひとつの仕事に一生懸命取り組みつつ、
そのつど、これは成功であったな、とか、
成功であったけれどもここのところは完全ではなかったな、
という具合に反省を重ねていく。
そしてそれが、やがて意識しないでも考えられるというか、
反省できるようになることが必要だと思います。
そういうことを刻々にくり返していると、
だんだん間違いをしないようになる。
ということは、経営のコツが分かってきた、ということになる」
出典:『経営のコツここなりと気づいた価値は百万両』
松下幸之助著(PHP研究所)
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両者の主張に共通しているのは、ほんとうに使える知恵は
体験を通じて習得するしかない、ということであり、
これが教育の本質ではないかと思うのです。
通常、建設業で人材育成するというと、知識(とりわけ技術)を与える
「教」に重きが置かれていることが多いです。
しかし、大切なことは「教」と「育」とのバランスをとることです。
つまり、OFF-JTで技術を「教」えた後、OJTで上司や先輩が
部下や後輩の行動を見て、褒めたり、叱ったりしながら
「育」てることが重要です。
OFF-JTだけでもOJTだけでも不十分で、
これらをミックスすることで人は育ちます。
PHP 的場正晃著 8月18日の記事を一部参考にしました。
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【編集後記】
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『図解即戦力 建設業界のしくみとビジネスが
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