相手のノーをイエスに変える交渉術とは【がんばれ建設1618】
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がんばれ建設
~建設業専門の業績アップの秘策~
ハタ コンサルタント株式会社 降 籏 達 生
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■2020年9月9日
NO1618
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今日の一言
「相手にとって正しいことが重要」
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建設業では交渉ごとが多く発生します。
発注者、施主との変更協議
近隣住民とのクレーム対応
協力会社との金額交渉
など毎日のように交渉しなければなりません。
言い換えれば、交渉こそが施工管理技術者の仕事
そのもの、ということもできるでしょう。
古代ローマ最強の弁論家キケロは、
聞き手に「正しい」と思わせるための説得の要素として、
次の三つのものをあげています。
これらを兼ね備えた説得こそが、相手が思わずうなずく最高の説得なのです。
1.論理的な説得力
2.話し手自身の与える好印象
3.相手の感情への訴えかけ
◆『論理的な説得力』とは、根拠が明確な伝え方です。
「この工法は実績が○件あり、かつ、原価を20%低減できる。
したがって本工法に変更すべきと考える」
というように、「〇〇だから××」「〇〇。したがって××」といったかたちで
しっかりとした根拠を示します。
それがムリのない論理で結論につながっている。そんな話し方です。
◆『話し手の自身の与える好印象』とは、説得するためには、
相手に好かれなくてはいけないということです。
同じことを話をしても、好かれている人間と嫌われている人間では、
聞き手に真逆の反応を引き起こします。
キーワードは、品格、功績、評判、そして穏やかな語り口です。
◆『相手の感情への訴えかけ』
感情のもつ力は強烈です。
どんなに論理的に正しくても、相手の感情が動かないと、説得はできません。
説得についてのありがちな勘違いが、
「こちらの話している内容が真実であれば、相手はわかってくれる」
というものです。
「真実」とは「相手にとって正しいこと」です。
現実のものごとは、それを見る角度、見る立場、
見る人の気分で姿が変わります。
ある人にとって正しいことも、ある人から見れば間違っていたりします。
説得するうえでもっとも大切なのは自分にとっての正しさではなく、
相手にとっての正しさなのです。
相手の感情を動かす言い方の一つに「Iメッセージ」があります。
これはI(私)が主語となっている言い方です。
その反対は「YOUメッセージ」でYOU(あなた)が
主語になっている言い方です。
YOUメッセージ
「なんとかこの金額で(あなたが)ご了承ください」
Iメッセージ
「この金額でご了承いただければ(私は)うれしいです」
YOUメッセージ
「本工法をぜひ(あなたが)ご採用ください」
Iメッセージ
「本工法が貴社にとって有利だと(私は)思います」
Iメッセージの方が心が動いた方が多いことと思います。
交渉とは本当に難しいものです。
その中でも大切なことは、自分の説得が「相手に正しく聞こえること」であり、
「自分が正しいこと」ではないことがもっとも重要だと思います。
『言葉を「武器」にする技術』高橋健太郎著(文響社)を
一部参考にしました。
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【編集後記】
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昨日より、技術提案 文章力・提案力 強化2日間コースを開催しています。
全国から集まられた方が、一所懸命に提案力を磨いておられます。