大規模で困難な現場には失敗経験のある技術者を配置せよ【がんばれ建設1625】
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がんばれ建設
~建設業専門の業績アップの秘策~
ハタ コンサルタント株式会社 降 籏 達 生
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■2020年9月24日
NO1625
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今日の一言
「質より量」
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ある美術学校でのエピソードです。
陶芸の授業のとき、最初に教師はクラスを2つに分けました。
そして、アトリエの左半分の生徒には作品の量によって、
右半分の生徒には作品の質によって採点すると告げました。
そして採点の日が来て、興味深い事実が明らかになりました。
優秀な作品は、すべて“量グループ”から生まれたのです。
量グループの生徒は、たくさんの作品をつくっていく過程で
いくつも失敗し、そこから学ぶことで、
いい作品を次々と生み出すことができました。
しかし、“質グループ”の生徒は、完璧な作品について
理屈をこねるだけで、手を動かさなかったために、
成果として残ったのは、壮大な理論と作品になりそこねた
粘土だけだったのです。
進歩する唯一の方法は、「トライ・アンド・エラー」をくり返すことだ
ということがわかります。
そして、そこでの失敗を経験という財産に変えていくのです。
従来、幹部が大規模で難しい現場の現場代理人を選定するとき
「この技術者は32歳で大きな失敗をしている」
と言うと、全員が「本当だ、それでは不適切だ」と言ったものでしょう。
しかし、これからは、
「心配なのは、彼が今まで失敗らしい失敗をしていないことだ」と考え、
失敗を経験していない技術者を大規模で難しい現場に就任させてはいけない
と考えるべきでしょう。
困難に直面し、それを乗り越えることで、
次の困難に対する心構えができるのです。
早いうちに失敗させることが、将来の自律につながります。
失敗しながら、量をこなすことを嫌わない人でありたいものです。
『一勝九敗の成功法則』(ジョン・C・マクスウェル著 齋藤孝訳)
知的生き方文庫を一部参考にしました。
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【編集後記】
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コロナ禍で苦労されている方が多いかもしれません。
しかし今回の本文のように、コロナ禍こそが
人を成長してくれる源かもしれません。
私自身、つくづくそう思います。