社長ブログ

もしも川辺川ダムがあれば氾濫を防げていたのか 【がんばれ建設1630】

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がんばれ建設 
~建設業専門の業績アップの秘策~
ハタ コンサルタント株式会社 降 籏 達 生
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■2020年10月1日
NO1630

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今日の一言
「氾濫水量8割減」
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2020年7月初旬に熊本県南部を襲った豪雨では、

大きな被害がでました。

その際、球磨川上流の市房ダムが、

洪水の流出ピークをカットしました。

それでも、支川の川辺川の合流による影響などで

人吉では氾濫を防げませんでした。

被災直後から土木関係者の間で話題に上がっているのが、

「もしも川辺川ダムがあれば氾濫を防げていたのか」

です。

川辺川ダムは、住民や県の反対を受け、国が2009年に

建設の中止を決定しました。

「東の八ツ場ダム、西の川辺川ダム」と言われ、

民主党政権下におけるダム建設中止の象徴でした。

球磨川流域の既存ダムの効果などを検証した

京都大学防災研究所水資源環境研究センターの角哲也教授は

「川辺川ダムを建設していれば、被害を大きく軽減できただろう」

と語っています。

京都大学防災研究所によると、川辺川ダムが予定通り建設されていた場合、

今回の雨で流れ込む流量は約1億2000万m3だったと推定しました。

ダムからの放流量を毎秒一定で500m3と仮定すると、

最大で毎秒2000m3の洪水調節効果が期待できるという

検証結果が得られました。

今回の氾濫を完全に防げたとまでは言えないようですが、

浸水深を大幅に低減できた可能性があります。

氾濫開始流量が毎秒5000m3だと仮定すれば、

今回の雨で2300万m3が氾濫した計算になります。

一方、川辺川ダムがあれば、氾濫水量は約400万m3まで減ります。

水量でみれば約8割の削減効果です。

私は実際にダム建設工事にたずさわっていました。

ダム建設の苦労や、工事にかける関係者の熱意を

目の当たりにしてきました。

また、建設後、周辺の住民から喜びの声を多く聞きました。

そのため、どうしてもダム建設に対してひいき目に見てしまいます。

しかし、河川改修や遊水池の設置など、

その他の工法も考えなくてはいけません。

日本国内にて洪水被害で多くの犠牲を地域の方々が強いられないよう、

ダム工事やその他の治水工法の研究を今後も続けていく所存です。

日経クロステック/日経コンストラクション 2020.09.14 の記事を

一部参考にしました。

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【編集後記】
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本日はオンラインセミナーを開講しています。

今月は、今日を含めて7回、

オンライン形式で研修を行います。

集合型以上の成果が出るよう工夫しながら

実施いたします。