社長ブログ

クレーン操作の自動化は最難関技術だ【がんばれ建設1634】

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がんばれ建設 
~建設業専門の業績アップの秘策~
ハタ コンサルタント株式会社 降 籏 達 生
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■2020年10月7日
NO1634

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今日の一言
「建設業界でも自動運転」
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大林組は、三重県伊賀市で川上ダムを施工しています。

そこでは「無人工事」に挑んでいます。

特に扱いが難しいタワークレーンの自動操縦に取り組み、

10年以内にあらゆるメーカーの建機を無人で動かす仕組みを

整える計画です。

私もダム工事現場に従事したことがありますが、

クレーンオペレーターには特別な専門技術が必要です。

コンクリートバケットを所定の場所に、できるだけ早く、正確に、

そしてバケットの揺れを制御して下ろさなければなりません。

しかも、オペレーターから現場が見えない中、

信号手の合図だけで操作するのです。

一歩間違えば大災害が起きる可能性さえあります。

現場に立つとオペレーターが変わったことがすぐにわかるほど、

人によって荷物の揺れが異なり、職人技を感じたものです。

大林組では、そのクレーン運転の自動化に取り組んでいるのです。

万が一に備え、操縦席には熟練のオペレーターが待機しています。

しかし、手を動かすことはほとんどありません。

大林組が北川鉄工所(広島県府中市)と共同で自動化システムを

開発したからです。

ダム工事現場で大型タワークレーンの自動操縦に取り組むのは、

国内で初めてです。

扱いが難しい建機を自動操縦するため、大林組は2つの分野で

人工知能(AI)の開発を進めています。

まずは、絶妙な「ハンドルさばき」です。

荷重や風によるクレーンの揺れをAIで検知。

7200時間におよぶ熟練オペレーターの操作をクレーンに学習させ、

加減速のタイミングを自動で調整できるようになりました。

もう一つは「ルート作成」。

約2万種の画像をAIに読み込ませ、自動で障害物を見分けて

安全に運搬できるルートを導く機能を開発しました。

実際はダム工事現場よりも、ビル建築工事における

鉄骨つり上げの方が難易度が高いでしょう。

ビル工事の現場では、既に組み立てられた鉄骨の間に

新たな鉄骨を通すような数センチメートル単位の操作が求められます。

今後、熟練工の高齢化が進み、若手が建設業界に入職しないと、

ダムやビルを建設できない状況になりかねません。

そうなると、このような自動運転をより一層進める必要があります。

他の大手ゼネコンも、全地球測位システム(GPS)を用いた

工事の自動化に取り組んでいます。

工事の注文を奪い合うだけでなく、新たな仕事を生み出すために、

工事現場のデジタルトランスフォーメーション(DX)は、

業界共通の課題です。

詳細はこちらをご覧ください。

https://www.obayashi.co.jp/solution_technology/detail/tech_d226.html

日本経済新聞 2020/9/9記事を一部参考にしました。

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【編集後記】
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今日から4日間は、久々に現地に赴いての研修を実施します。

現在、全体のほぼ50%がオンラインセミナーですので、

ご受講生の顔を見ながらの研修では、

反応がよくわかりますので、安心して進められます。