社長ブログ

現場で結果を出すリーダーは「い」を言わない【がんばれ建設1649】

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がんばれ建設 
~建設業専門の業績アップの秘策~
ハタ コンサルタント株式会社 降 籏 達 生
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■2020年10月28日
NO1649

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今日の一言
「数字と根拠はセットで」
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ダメな施工管理技術者は、

漠然としたことしか言いません。

例えば、工程が遅れている協力会社職長に

「もうちょっと頑張ってください」

「はい、分かりました」

これは、無意味なやりとりの典型です。

「もうちょっと」では、何を、どのくらい、

どう頑張ればいいのか、まったく分かりません。

ぼんやりしたことしか言わない施工管理技術者は問題ですが、

「分かりました」と答える職長も問題です。

ただ分かったふりをして、この場をしのごうとしているだけです。

工程が遅れているのなら、作業者数を増やすのか、

それとも、直列作業を並列にするのか、

プレキャスト化するのか、など具体性のある話をしなければ、

何も変えていくことはできません。

会議に出ていると、「もう少し原価を下げられないのか」

という話が出ますが、こういう発言が出ると、私は必ず尋ねます。

「もう少し、というのは、具体的にはいくらですか?

 あと何円原価を下げたいのですか?」

このように、「もう少し」とあやふやな言い方をするクセが

ついてしまうと、具体的な解決策に落とし込めなくなってしまいます。

これが「あと何円」とはっきり数字にできれば、

そのためにはどこをどう削る工夫をしたらいいかということを

考えることができるようになります。

つまり、数字で考えるクセをつけると、

話は具体的に進むのです。

これと同じように、技術提案の比較を、どっちが「安い、高い」

「多い、少ない」「遅い、早い」といった形容詞だけで

語るのも危険です。

これだけでは、具体的な比較になっていないからです。

いくら高いのか、どのくらい多いのか、どのくらい早いのかという

ところをきちんと調べて数字で表現しないと、

どうしていけばいいかという具体的な対応策は考えようがありません。

普段から数字で表現することを意識していない人は、

的確な行動ができない人です。

だからこそ、具体的にものを考える、とくに数字でものを考える、

数字に落とし込んで話をする習慣づけは、

技術者にはとても重要です。

では、とにかく数字を挙げておけばいいのか。

実はそれだけでもまだ不十分です。

当然ながら、そこには「なぜその数字にするのか」という根拠が必要です。

なぜその工法がよいのか、みんなが納得できる根拠を示せれば、

動きやすくなります。

例えば、

「本工法では騒音を20%低減できる。

 なぜなら、この防音壁の反射率○、吸音率○であるからである」

こういう話であれば、発注者も納得して設計変更が成功するでしょう。

そういう具体性がないまま、ただ「設計変更をお願いします」と言うのでは、

認められません。

数字は明確な根拠とセットで、意味を持つものなのです。

数字に強く、その根拠を論理的に説明でき、

そのために何をしたらいいかを具体的に話せるリーダーが、

人がついてくるリーダーなのです。

小宮一慶『できる社長は、「これ」しかやらない

伸びる会社をつくる「リーダーの条件」』(PHP研究所)を

一部参考にしました。

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【編集後記】
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昨日は若手技術者研修を実施しました。

全体の約2割が女性技術者でしたが、

女性の方が熱心で元気でした。

女性活躍がキーワードであることを

実感しました。

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