現場で権勢を誇っていた大所長の末路【がんばれ建設1661】
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がんばれ建設
~建設業専門の業績アップの秘策~
ハタ コンサルタント株式会社 降 籏 達 生
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■2020年11月18日
NO1661
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今日の一言
「有名無力、無名有力」
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施工管理技術者は、その建設物に自分の名前を冠することはありません。
建設業界では唯一、建築設計者のみが、○○氏の設計という名が残りますが、
その他の技術者、技能者は無名です。
曾野綾子さんはその著「無名碑」にて
田子倉ダム建設にたずさわる人たちのことを書いています。
そして多くの無名の人たちの努力で、
この巨大構造物ができていると書かれています。
「有名無力、無名有力」
という言葉があります。
若いときには誰もがひとかどの人物になりたい、立派な仕事をしたいと
一所懸命努力をします。
だんだん頭角を現し、人々の評価もいただけるようになって、
社内で名が上がって有名になってきます。
「大所長」などと呼ばれるようになったりします。
協力会社の方々からも「所長さん、所長さん」と言われ、
食事やゴルフに誘われるようにもなります。
そうなると、威張りだすのです。
口の利き方が横柄になり、部下や周りの人たちの意見を聞かなくなります。
そしていつのまにか新技術や新工法を学んだり、
本を読んで自分自身を磨くことを止めてしまいます。
しかし、どんな状況になっても謙虚で若い人の意見を聴き、
新たに資格を取るなど学び続けている人もいます。
これこそが「有名無力、無名有力」です。
私は34歳でゼネコンを退社し、ハタ コンサルタント株式会社を創業して
25年になります。
その間、延べ20万人の施工管理技術者と出会ってきました。
すごく仕事ができ、「大所長」と呼ばれる人にも多く出会いました。
そのような人でも60歳を過ぎると第一線を退き、間接部門に異動したり、
転職したりされます。
その際、異動先、転職先でも尊敬され続けている人と煙たがられている人に
分かれるのです。
いえ、残念ながら多くの方が煙たがられています。
それは「威張る」からです。
現場で権勢を誇っていた時のことが忘れられずに
いつまでの威張っている人の末路は惨めです。
常に謙虚であり、そして自分を高め、
磨く時間を持てる者でないといけないと私は自分自身を戒めています。
有名無力ではなく、無名有力を目指したいものです。