現場で威張り散らす人の末路【がんばれ建設1672】
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がんばれ建設
~建設業専門の業績アップの秘策~
ハタ コンサルタント株式会社 降 籏 達 生
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■2020年12月4日
NO1672
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今日の一言
「野暮な人か粋な人か」
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江戸時代、庶民の間では、必要以上に威張ることは
下等の人間のすることとされていました。
とくに、抵抗できない立場の人に対して必要以上に威張ることは野暮の極み、
最下等の人間と位置づけられていたのです。
J・B・シュネルツェンという、
江戸文化に興味を持った人のレポートのなかに、
『江戸っ子とは、進歩的な人間主義者で、和をもって良しとなし、
誰とでもつき合い、新人をいびらず、権力にこびず、人の非を突くときは、
下を責めず上を突き、外を飾らず中身を濃く、と言う思想を持った人である』
(「青い目の見た日本」より)という一節があります。
江戸庶民は、もともと人間は平等であり、弱い人をいたわることや、
できるだけへりくだることが世間と良好なつき合いができる秘訣と
考えていたことが、この一節からもわかると思います。
江戸では、「人間」と書いて「じんかん」と読ませていたそうですが、
これは、人と人には適切な間合いが必要であり、その「間」を持つことが
良好なつき合いをもたらすことを知っていたのでしょう。
いわば「共生」の知恵です。
一方、建設業界では、威張る人がまだ多いようです。
上司が部下に威張る
元請が下請に威張る
親方が職人に威張る
私は建設会社の会議に同席することが多いのですが
部下に対して威張る上司が多いです。
部下の話を聞かず、自分の意見を押しつける
部下の過去の失敗に対してくどくどと叱る
反対意見に耳を貸さない
建設会社に入ってずっと威張っていると「威張り癖」がつき、
普段の生活でも威張るようです。
次のようなことに思い当たりませんか。
・飲食店の店員さんに対して、上から目線で物を言う
・お礼を言わない
・目上の人にはペコペコするのに、目下の人には威張る
・バカにした態度を取る
・嫌味を言う
・謝らない
・昔の武勇伝など、自分の自慢話が多い
このような人は、以下のような特徴があるようです。
・自信がない
・心を許せる友がいない
・承認欲求が強い
・プライドが強い
・損得勘定で動いている
・自分の思い通りに物事を進めたいと思っている
上司にこのような人がいたとしたら部下はたいへんです。
ただ逃げるわけにはいかないため上手にかわす必要があるでしょう。
・下に見られないように仕事をしっかりこなす
・礼儀正しく接する
・横のつながりを作る
・感情的に反応しない
・にこやかに褒める
実際には無意識に威張ってしまう人もいることでしょう。
そんな人はどうすれば「威張り癖」が直るのでしょうか。
私は感謝力を高めることで「威張り癖」をなくすことができると思っています。
感謝力とは自分の周りに起こるすべてのことに感謝できる力です。
「ありがとう」の反対語は「当たり前」です。
母親や奥様が食事の用意をしてくれることをありがたいと思うか、
当たり前と思うか
部下が自分の言うことを聞いてくれるのをありがたいと思うか、
当たり前と思うか
協力会社が現場で働いてくれることをありがたいと思うか、当たり前と思うか
威張る人からは、徐々に、友人知人が離れていきます。
若い後輩たちは、自然に離れていきます。
会社の人たちや、協力会社の方々は仕方なくついてくるでしょうが、
それを自分が支持されていると勘違いしてしまうとよくないです。
そういう人は、定年になり、会社の人間関係も切れた時、
まわりを見渡すと誰もいない、ということになりかねません。
自治会等の近所のつき合いでも、
会社での元の肩書をひけらかしたりするので、嫌われます。
それでは品がなくて、野暮(やぼ)な人です。
決して威張らず品のある建設技術者でありたいものです。
『野暮な人イキな人』越川禮子著(日本文芸社)を
一部参考にしました。
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【編集後記】
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昨日の研修にて心温まる物語を聞きました。
尊敬する方の葬儀にて悲しんでいると、
その方が所属する建設会社の方が大勢で参加され、
その温かい対応に心を打たれたそうです。
そのことがきっかけで建設会社に入社したということでした。
私たちの日常のふるまいが多くの方に影響を与えているのだと感動しました。