新任の現場責任者に必要なスキル3「現場のもめ事をどのように解決するのか」【がんばれ建設1680】
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がんばれ建設
~建設業専門の業績アップの秘策~
ハタ コンサルタント株式会社 降 籏 達 生
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■2020年12月16日
NO1680
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今日の一言
「可愛げが必要」
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若手社員が現場責任者に任命されて、
もっとも困るのが現場でのもめ事の解決です。
工事を進めていると、顧客、協力会社、近隣住民とのもめ事が
日常的に発生します。
特に若い技術者は、年配の方と話すことに慣れていません。
家庭におじいちゃん、おばあちゃんがいなくなったことも
その理由の一つでしょう。
しかし高齢化が進んだ建設業の現場では、その大半が年配の方々ですから
どのように対処すればよいか悩んでしまいます。
そこでもっとも大切なことは「可愛げ」です。
「可愛げ」があれば少々のミスや失言でも大目に見てくれるものです。
一方「可愛げ」がないとほんの少しのことでも大げさになり、
大きな問題になってしまいます。
では「可愛げ」のある人とはどんな人でしょう。
1)すぐ行動
相手から言われたことを、躊躇せずすぐに行動することです。
「図面の説明をして欲しい」と言われたら、
「後で」と言わず、すぐその場で説明する。
「挨拶の声が小さいよ」と言われたら、すぐに大きな声で挨拶する。
「現場に来て欲しい」と言われたら、すぐに現場に駆けつける
2)喜び上手
相手が自分に対して気をつかってくれたら、少し大げさに喜ぶということです。
現場で職人から缶コーヒーをもらったら、たとえ今は飲みたくなかったとしても
「ありがとうございます。これ大好きなんです」という。
近隣住民から「おにいちゃん、男前だねえ」と言われたら
「そんなことないですよ」と言わず
「ありがとうございます!うれしいです!」という。
発注者や上司から注意をされたら、
ムッとせず「ご指摘いただきありがとうございます。
勉強になりました」と話す。
3)報告まめ
まめに関係者に報告するということです。
大切なことは「後で」とか「まとまってから」と言わず、
まめに伝えることです。
「現場を見てきて」と言われたら、現場から戻って特段問題がなくても、
すぐに報告する。
図面の変更があったら、
すぐに職人に一報を入れる。
近隣からクレームが入れば、
まめに顧客に報告する。
このような態度を取る人は「可愛げ」があり少々のことでは問題になりません。
その他に重要なもめ事を予防するポイントは以下の10です。
1)報連相の定義とは
2)目的を伝えなければ自主的に行動しない
3)ストロークは心の食べ物
4)5W2Hは魔法の言葉
5)「知ってもらう」と「分かってもらう」
6)「聴く」ことが活気を生む
7)五つの「まめ」でスキルアップ
8)相手の心を動かすプレゼンテーション
9)朝礼、会議で現場を活性化する
10)相手のノーをイエスに変える
例えば次のようなことがあったとしましょう。
『現場責任者のAさんは現場巡視の際に職長Bさんに
「明日は大事な行事があるからきれいにしておくように」と指示しました。
職長Bさんは「わかりました」と返事をしました。
Aさんが翌朝現場に行くと、現場はまったく片付いていません。
「昨日、『きれいにしておくように』といったではないですか」
とBさんに言うと、
「きれいに、とのことだったので、工事用車両を洗車しておきました」
とのこと。
意図がまったく伝わっていなかったのでした。』
これは「ポイント2)目的を伝えなければ自主的に行動しない」
が不十分な事例です。
なぜ現場をきれいにする必要があるのかを伝えないと
相手に真意は伝わりません。
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【編集後記】
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全国的に雪模様になりました。
除雪部隊は大活躍のことと思います。
こんな時、特に建設業は「エッセンシャルワーク」
(なくてはならない仕事)だと感じます。
メディア等で大きく扱ってもらえるよう働きかけます。