社長ブログ

部下や協力会社に頼み事を聞いてもらうためのコツは「食事」だ【がんばれ建設1701】

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
がんばれ建設 
~建設業専門の業績アップの秘策~
ハタ コンサルタント株式会社 降 籏 達 生
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■2021年1月26日
NO1701

**************************************************
今日の一言
「レストランの語源は回復させる場所」
**************************************************

「おい、めし一緒に食べようか」

現場や職場ではよく聞く言葉です。

昨今はコロナ禍で少し躊躇する面はありますが

やはり一緒に食事をすることは大切なことです。

米国チューレーン大学のアーサー・ブリーフ博士が

ある病院で働く看護師や医者、事務員などを対象に

職務満足感を尋ねてみたことがあります。

「あなたはこの病院で働くことに満足していますか?」

という質問をぶつけてみたのです。

半分の人たちには、食べ物や飲み物を食べながら

残り半分の人たちには、食事をせず、いきなり質問をぶつけました。

すると、同じ病院で、同じような仕事をしているというのに、

飲み食いした人たちのほうが

「僕はこの病院で働けて幸せだ!」とか「私は、ものすごく今の職場に満足」

などという結果が得られたのです。

結局、私たちは、質問されるときに“気持がいい”ムードにさせられていると、

好ましい返答をしてしまうものだ、ということがこのデータからわかります。

人に頼みごとをするときには、たっぷり飲み食いさせるのが基本です。

ようするに、「接待」してあげるわけです。

何の接待もしてあげないのに、仕事をお願いするときには、

ひょっとすると何十回も打ち合わせをしなければならなくなるかもしれません。

ところが、1回でも、相手が好きなものを飲み食いさせてあげれば、

「〇〇の件、よろしくお願いしますね」

と気軽な申し出でも、相手は喜んで引き受けてくれるかのしれません。

昔から、「接待がうまいヤツは、出世も早い」と言われているけれども、

接待の勘どころをきちんと押さえている人間は、

人間のツボをきちんと心得ていることが多いので、出世も早いのです。

なお接待のコツは、

お金をかけることではなく、相手を楽しませることです。

高級店である必要はなく、たとえ居酒屋であっても

相手が楽しいと立派な「接待」です。

「接待」が必要なのは、何も、顧客だけではなく

社員、協力会社、さらには、家族や友人も立派な接待の対象です。

レストランは、フランス語の「restaurant」からの外来語で、

「再度」「良い状態に する」「回復する」意味の「restauro」に由来します。

「回復させる」という意味から、

「元気にさせる飲食物」 「滋養となる飲食物」を意味するようになり、

「回復させる所」を意味する「restaurant」という語が生まれました。

つまり、レストランは家族や友人、あるいは旅人をもてなし、

元気を回復させる場所だったのです。

私はいわゆる飯場にて暮らしながら工事をすることが多かったのですが、

「同じ釜の飯を食う」ことの重要性は強く感じます。

20年以上経った今でも心のつながりがあることを感じています。

現在は、残念ながらコロナ禍で多くの店舗が苦境に陥っています。

たくさんの素晴らしいレストランや食堂、居酒屋が

元のように復活できる日がくるのを、心から強く願います。

年度末で忙しい毎日が続きでしょうが、

だからこそ感染対策をしながら

「おい、めし一緒に食べようか」

と言いたいものです。

『他人を動かす質問』 内藤 誼人 著 (大和書房)

を一部参考にしました。