「できる人」と「好かれる人」、結果を出すのはどっち【がんばれ建設1707】
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
がんばれ建設
~建設業専門の業績アップの秘策~
ハタ コンサルタント株式会社 降 籏 達 生
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■2021年2月5日
NO1707
**************************************************
今日の一言
「依頼力を上げる」
**************************************************
できる建設技術者とは、どういう人をいうのでしょうか。
人事評価軸の1つに
「人としての好感度、温かみ」と「有能さ」があり、
建設技術者にはこの2つの資質が必要です。
双方持ち合わせている人がベストですが、
この2つは相殺されやすく、どちらかに傾きがちです。
「どちらが重要か」と言われたときに、建設業界では、
「『非情でも、仕事ができる人型』のリーダーのほうが有能だ」
という考え方が多いように思います。
「非情」な態度の主な特徴は以下の5つです。
1 笑顔は、カッコ悪いと思っている
2 つねに人と自分を比較し「自分の方ができる」ことを強調する
3 「自分は人から学ぶものなど何もない」という「全能感」を漂わせる
4 上司や顧客にはすり寄るが、協力会社や部下にはつらく当たる
5 「人の話を聞く」より「自分が話す」ことのほうが大事だと思っている
できる技術者は「有能さ」こそが大切のように思われますが、
「実は『好感度』のほうが、重要である」といわれています。
このことを裏付ける学術的調査が数多くあります。
2005年の『ハーバード・ビジネス・レビュー』に発表された
行動心理学者らによる研究では、人を次の4つに分類しました。
1) 好感度が高く、仕事もできる「愛されるスター」
2) 好感度が低く、仕事もできない「無能で嫌な奴」
3) 好感度は高いが、仕事はできない「愛される愚か者」
4) 好感度は低いが、仕事はできる「できるが嫌な奴」
1)がよくて、2)がダメなのは明らかですが、
3)と4)はどちらが好まれるでしょうか?
実は「3)愛される愚か者」のほうが、
「4)仕事はできても嫌な奴」のほうより選ばれるという結果だったのです。
仮に仕事ができない人であっても、
愛されていれば他の人に自分の苦手なことを依頼することができます。
CADが苦手、交渉が苦手、プレゼンが苦手であれば
それぞれ得意な人に頼めばよいのです。
愛されているので、それを断られることがありません。
人に上手に依頼することができる人は「依頼力」が高い人です。
「依頼力」が高い人には3つの特徴があります。
1)好感度が高く、愛されている
2)依頼する内容を明確に伝えられる
3)時間の余裕を持って依頼できる
では、一つ目の「好感度」を上げるには、どうすればよいでしょうか。
【1】「ムッツリ」より「笑顔」
「できる人は不愛想でいい」という幻想を捨てることです。
不機嫌はそれだけで、「不愉快菌」を相手にばらまく行為と心得ましょう。
【2】「自分主役」より「相手主役」
「俺スゴイ」より「あなたはスゴイ」と言える人が愛されます。
自分アピールはそこそこにして、話すよりもじっくり聞くことが大切です。
【3】「階層」にとらわれない
上にへつらい、下に当たるのではなく、
あくまでも誰に対しても分け隔てなくに接することです。
相手から話しかけるのを待っているより、
自分から挨拶することを心がけましょう。
好感度を上げ、依頼力を高めることこそが、
できる建設技術者像だと思います。
『世界最高の話し方1000人以上の社長・企業幹部の話し方を変えた!
「伝説の家庭教師」が教える門外不出の50のルール』 岡本 純子 著を
一部参考にしました。
*************************************************
【編集後記】
*************************************************
春に外国人技術者向けに新入社員研修を実施する予定で、
その準備を進めています。
テキストを翻訳し、当日は通訳をお願いするのですが、
いざ実施しようとすると、どの英単語を用いるのがよいのか悩むところです。
早期に日本の建設業に慣れていただけるようがんばります。