社長ブログ

精度の高い点群データによる転圧管理システム【がんばれ建設1751】

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がんばれ建設 
~建設業専門の業績アップの秘策~
ハタ コンサルタント株式会社 降 籏 達 生
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■2021年4月15日
NO1751

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今日の一言
「転圧管理の自動化」
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盛土の転圧管理は、品質を確保する上で重要なポイントです。

特に、隅部の転圧不足や、中央部の過転圧は、

避けなければなりません。

これを解決するのが、転圧管理システムです。

GNSSを用いた盛り土の締め固めでは、

振動ローラーの運転席の屋根などに設置した

アンテナ1基で位置情報を取得し、

走行した回数で管理する手法が一般的でした。

所定の回数に達すると、対象箇所の色が変わり、

「転圧完了」を知らせる仕組みです。

従来方式では、振動ローラーの鉄輪とアンテナの設置場所が

大きく離れています。

そのため、締め固めの位置を正確に求めるには、

鉄輪の中心からアンテナまでの距離や地面からアンテナまでの高さを

補正計算する必要がありました。

ただし、振動ローラーの旋回で鉄輪の向きを変えると、

鉄輪の中心が相対的にずれるため、

補正が合わず、誤差が生じていました。

竹中土木とライカジオシステムズは共同で、土を締め固める

振動ローラーを走行させるだけで、3次元点群データを

自動で作成する転圧管理システム

「Dual Mast Roller(デュアル・マスト・ローラー)」を

開発しました。

オペレーターが運転席で点群データを見ながら、施工状況を

リアルタイムで確認して、盛り土工事での「過転圧」や

「転圧漏れ」を防ぎます。

振動ローラーの前方にある鉄輪の両端にGNSS(衛星を用いた

測位システムの総称)の受信アンテナを設置し、

鉄輪の位置と方向角を測定。

鉄輪と車体の間に取り付けた傾斜計で、鉄輪の傾きを測ります。

取得した情報は、振動ローラーの運転席のパソコンに

リアルタイムで送信します。

パソコン上の専用プログラムがその情報を基に演算処理を行い、

走行した箇所の点群データを鉄輪の幅で作成します。

オペレーターは転圧直後に、運転席のパソコンに表示される

点群データで施工状況を把握できるので、「踏み残し」の箇所を

その場でやり直せます。

加えて、必要以上の転圧を重ねる「踏み過ぎ」も避けられます。

開発したシステムは、車体旋回時でも計測誤差を最小限に抑え、

取得する位置情報の精度を高められます。

実証実験では、車体旋回時の誤差範囲が水平方向で20mm以内、

鉛直方向で30mm以内でした。

今後は、締め固めの後の敷きならしにも、

点群データを利用できるようになるようです。

具体的には、クラウドサーバー上に置いた

転圧完了後の点群データを使って、

ブルドーザーが所定の層厚で土のまき出しを

自動で行えるようにします。

さらに、点群データを使った土量管理システムの開発にも

取り組む予定とのこと。

今後が楽しみです。

詳しくはこちらをご覧ください。

https://leica-geosystems.com/ja-JP/about-us/news-room/news-overview/2021/02/jp_2021_03_rollersystem_takenakadoboku

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【編集後記】
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昨日のオンライン新入社員研修終了後、受講生より、

「ドラゴンボールのフリーザ様に似ている」

と言われました(人づてに)。

ネットで調べると「理想の上司」だそうです。

よい気分で今日も研修を行います。

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