39歳の女性首相に学ぶ事故発生時のリーダーの話し方 【がんばれ建設1759】
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
がんばれ建設
~建設業専門の業績アップの秘策~
ハタ コンサルタント株式会社 降 籏 達 生
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■2021年4月28日
NO1759
**************************************************
今日の一言
「強く、優しく」
**************************************************
昨日の本メルマガにて、ニュージーランドの首相である
ジャシンダ・アーダーン氏のお話しを書きました。
アーダーン首相は39歳の女性です。
コロナウイルスによる感染拡大が危惧されると、
迅速にロックダウン(都市封鎖)を決断、
収入が落ちた労働者に12週間にわたる
現金給付を実施することで、早期の封じ込めに成功しました。
ニュージーランドのアーダーン首相の感情を伴った発語は、
共感を引き出すという点で効果が大きいものです。
ことさらに、あおり立てるような物言いを避けて、
聞き手に寄り添うスタンスで語りかけると、
メッセージが届きやすくなります。
こんな方です。動画でご覧ください。
アーダーン首相がロックダウンに踏み切った際、
深夜にフェイスブックの動画を使って、
オンラインで国民からの質問に答えました。
子供を寝かしつけた後、自宅から普段着姿で
ウェブカメラ越しに登場。
やわらかい口調で語りかけ、国民と不安を共有したのです。
スウェットシャツを着て、たっぷりの笑顔を絶やさず、
気さくに話し始めました。
「自然体」とはこういうありようを指すのでしょう。
演説口調は封印して、友人とのビデオチャットであるかのように
フランクに、でも丁寧に、国民からの質問に答えていきます。
飾らず、気取らず、威張らず、そして穏やかにしゃべる様子は、
少なからず、国民に安堵をもたらしたはずです。
同首相が発するメッセージの「Stay home」は、
日本の知事の皆さんと同じです。
しかし、その後に言い添える決まり文句が違います。
「Be strong, be kind(強く、優しく)」は、
同首相が繰り返し使うフレーズです。
日本では「自粛警察」とも呼ばれる、ささくれ立った気持ちを
他者への批判として噴出させるケースも生まれました。
一方、「強く、優しく」は苦難を国民全体で分かち合う、
心の持ち方に導きます。
人間力の発露を引き出す魔法の言葉です。
リーダーは常に冷静であるべきだといわれます。
しかし、冷静と冷淡は全くの別物です。
大勢の尊い命が日々、失われていくこの状況下で、
冷淡なリーダーは事態をさらに悪化させかねません。
先の見えない不安に押しつぶされそうな国民を、
人間味あふれる言葉で元気づけるのが、
リーダーの望ましい「声出し」のはずです。
現場で事故が発生したときの現場代理人がどう話すか、
アーダーン首相と日本の知事の違いがとても勉強になります。
事故を起こしたという事実はきちんと伝え、
再発を防止しなければなりません。
しかし、だからといって、当事者や関係者を責めてばかりでは
「冷淡」です。
「冷静」に事実と原因を語りながらも、「強く」そして「優しく」
現場で働く方々に語りかけてこそ、「無事故」の誓いを
心にとどめることができるでしょう。
コロナ禍はたいへんなことが多いですが、そこから学ぶことも
あるはずです。
あすからゴールデンウィークという方も多いでしょうが、
「Stay home」そして「Be strong, be kind」でありたいものです。
出世ナビ1月13日 梶原しげるの「しゃべりテク」を
一部参考にしました。
*************************************************
【編集後記】
*************************************************
コロナ禍のなか、だからこそオンラインで学びたい、
という方が増えています。
特に「一流の技術者になるための 建設技術力強化
オンラインセミナー」(CPDS4ユニット×6回)では、
オンラインで一流の技術を学ぶことができます。
5月~8月に開講します。
ぜひ一度ご覧ください。
*************************************************