社長ブログ

建築学会JASS5改定ポイントを知って良質のコンクリートを打設しよう 【がんばれ建設1769】

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がんばれ建設 
~建設業専門の業績アップの秘策~
ハタ コンサルタント株式会社 降 籏 達 生
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■2021年5月24日
NO1769

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今日の一言
「環境配慮型コンクリート」
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日本建築学会のJASS5(建築工事標準仕様書の

鉄筋コンクリート工事)は、設計図書に引用されることが多く、

施工の際の目標性能として盛り込まれています。

JSAA5が2022年版として改定されます。

パブリックコメントが発表されましたので、

改定点を見てみましょう。

「低炭素等級」盛り込み

低炭素等級は、建物が竣工するまでに排出されるCO2量を評価します。

特に影響の大きいセメントを想定し、ポルトランドセメントの

使用量が少ないほど、等級が高くなります。

普通ポルトランドセメントが最も等級が低く、

高炉セメントA種、同B種、同C種の順で高くなります。

「資源循環等級」

資源循環等級とは、産業副産物や建設廃棄物の削減を図るものです。

セメント、骨材、練り混ぜ水の項目ごとに、

構成材料や混合率を示し、重み付けした点数(ポイント)を付けます。

この合算値で等級を決める案が検討されています。

室内は中性化対策が不要に

耐久設計基準強度は、「非腐食環境」であれば、

「適用しない」とします。

これまで、耐久性を評価する際、中性化が鉄筋の位置まで進行するか

否かで建物の寿命を判断していました。

今回、「非腐食環境」であれば、

耐久設計基準強度の設定が不要になります。

鉄筋の位置まで中性化が進行しても、乾燥していれば、

鉄筋はさびないため、乾燥している室内については、

強度を求めないということです。

流動化コンクリートの「あと添加後のスランプフローの目標値」が

示されました。

建設現場で化学混和剤を用いて、

フロー値を高めることを想定しています。

強度が高いほどセメント量が多く、材料分離抵抗性が高まるため、

大きなフロー値を許容するものです。

「低収縮コンクリート」の節が新設

「低収縮コンクリート」の節が新設され、

「低収縮等級」が示されました。

乾燥収縮ひび割れを検討する際の

尺度として用いることができます。

「住宅基礎用コンクリート」の節を削除

これまで住宅基礎は「簡易コンクリート」という節で

「取り扱いが簡易で高度の技術力を必要としないでも

一定の品質が確保される仕様のコンクリート」と

規定されていました。

しかし、昨今は、戸建て住宅でも長寿命化が進んでおり、

一般的なコンクリートの規定を適用することが

求められているとの判断です。

従来、鉄筋のかぶり厚さが30mm、設計基準強度が

18N/mm2と規定されている箇所が多いですが、

今後、住宅会社など、自社の仕様書で参考にしている会社は、

見直しの必要がありそうです。

建築構造物にとって、コンクリートの品質は重要です。

今後の改定状況を見定めたいものです。

日経クロステック 4月22日記事を参考にしました。

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【編集後記】
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2ヶ月間続いた新入社員研修が

いよいよ今週から来週で終了となります。

少しずつ社会人らしくなっていく新入社員の姿は

たのもしく、今後現場で活躍してくれることを祈ります。

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