社長ブログ

新人、若手が、上司に確認せずに現場で判断できるようになる方法【がんばれ建設1772】

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がんばれ建設 
~建設業専門の業績アップの秘策~
ハタ コンサルタント株式会社 降 籏 達 生
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■2021年5月27日
NO1772

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今日の一言
「「できる先輩」のまねをする」
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新人、若手が、建設会社で長く働くための方法は、

できるだけ早く、可能なら5年以内に現場責任者として

工事を担当できるようになることです。

そのためには、「判断力」を身につける必要があります。

現場で問題が発生したり、協力会社から相談を受けた時に、

なんでも上司に相談しないと判断できない状態ではなく、

できるだけ自分で判断できるようにならなければ、

現場を任せられません。

では、どうすれば、新人、若手が判断力を身につけることが

できるのでしょうか。

先輩の手元をしている時に、迅速かつ的確な判断で

仕事をスピーディーに進めている「できる先輩」がいたとします。

その先輩がある案件に対して、何らかの判断を下したとき、

どのような根拠でその判断を行ったのかを自分なりに考えてみます。

そのうえで、自分の仮説を先輩にぶつけて答え合わせをするのです。

「なぜ生コン打設中止の判断をしたのですか」

「東の空に雲があり、その雲の色が灰色だったからだ」

「なぜ協力会社に2名増員要請のの判断をしたのですか」

「現在歩掛かりが8m2/人日で当初予定の10m2/人日を

 下回っており、このままいくと4日間、工程が遅れると

 予想されたからだ」

このような仮説・検証を繰り返しながら「できる人」の

思考プロセスを学び、それを自分の仕事の中へと

取り込んでくるのです。

大切なことは、必ず自分なりの仮説を立ててみるという点です。

自分を判断の当事者だと仮定することで「判断の疑似体験」が

できるからです。

ゴルフのスイングを上達させるためには、自分で何度も

スイングをする必要があります。

同じように、判断力を上達させるためには、自分で何度も

判断をする必要があります。

話を聞いたり、本を読んだとしても、現実のヒリヒリするような

緊張感の中での判断経験を積み上げていかなければ、

「知っている」が「できる」に進化することはありません。

だからこそ、「いまの判断の根拠となったのは

○○ということでしょうか」と、自分の仮説をぶつけてみたうえで

先輩の答えを聞くことが大切です。

単に答えを教えてもらうだけでは、人のスイングを見ているだけです。

この方法を効果的に実践していくために注意すべき点が3つあります。

1)自分よりも一段上の仕事をしている「できる人」から学ぶこと

対象とする先輩を間違えないことが大切です。

そのためには、「できる先輩」の現場を

一緒に担当させてもらえるよう、会社に依頼することが大切です。

私がゼネコン勤務時代、新卒の時以外は、自分のやりたい工種、

尊敬できる先輩のいる現場に行かせてもらえるよう

上司にお願いをしたものです。

判断に切れがなく、仕事もパッとしない上司や先輩から

反面教師的に学ぶよりも、「これぞ!」と思う人に学習エネルギーを

集中させたほうが学習効率は高まります。

2)厳しい判断局面ほどしっかりと仮説を立てること

どのような選択をしても失うものがある場合、

いま決めなければ問題が拡大するような場合、

本人が責任を問われるかもしれない場合――そのようなときにこそ

「できる人」は「さすが」と思わせるような上質の判断をします。

例えば、掘削中に予想外の転石が出現した場合、

アイオンや発破の用意をするとお金がかかってしまいますが、

工期が遅れるとさらに多額の損失がでます。

そんなとき、目先の費用をかけてでも、

後工程を守る判断ができる人の近くにいたいものです。

決めることができずに右往左往しないためにも、厳しい局面での

上質の判断は、どのような思考プロセスから生まれるのかを

しっかりと学習する機会です。

3)自分の考え方の軸を持つこと

人から学びながらも、いい意味で「○○さんらしい判断ですね」と

言われるような判断スタイルを持ち、

自信を持ってそれを実行することが、あなたならではの価値です。

例えば「安全第一」を守り切ると決めたなら、

その軸を決してぶらさないということです。

例えば、見積は安いが、安全に不安がある協力会社Aへの発注可否を

判断する場面だとしましょう。

たとえ上司が値段が安いという理由でA社への発注を勧めても、

「安全第一」という軸をぶらさず、反対する、ということです。

これからの時代、仕事をしながらなんとなく成長している人と、

意図を持って成長を図っている人との間には、

ますます大きな差がついてきます。

「できる人」の力を借りて判断の疑似体験を意図的に行うことで、

正解のない問題に取り組む時代に必要な判断力を

短期間で高めていくことができます。

新人、若手が早い時間で「判断力」を身につけ、

早期に現場責任者になることができるために

本手法を活用して欲しいものです。

『管理職3年目の教科書』櫻田 毅著を一部参考にしました。

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【編集後記】
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本日より「建設技術力強化オンラインセミナー」が

始まります。

全6回で一流の技術者を目指す内容です。

北は秋田から、南は沖縄までご参集いただいています。

がんばります。

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