うそ、ごまかし、手抜き、品質不良を防ぐための方法とは 【がんばれ建設1785】
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がんばれ建設
~建設業専門の業績アップの秘策~
ハタ コンサルタント株式会社 降 籏 達 生
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■2021年6月16日
NO1785
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今日の一言
「制度より風土」
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2020年11月に上層路盤埋め戻し材に「再生粒度調整砕石」を使用すべきところ、
「再生クラッシャーラン」を使用していた事案が発生しました。
「再生クラッシャーラン」は細粒分が少ないため、上層路盤には向きません。
両者は外見が似ているため、写真では区別がつきにくく、
発注者の検査をパスしていました。
このような手抜き工事が行われていると、一般の方々の信用低下につながりますし、
ひいては、人手不足の解消がますます難しくなってしまいます。
不正防止のためいくつかの試みがあります。
第三者品質証明制度
国土交通省は「第三者による品質証明」制度を運用しようとしています。
第三者の建設コンサルタントなどが、「品質証明者」として、
週3回ほどの頻度で現場に赴き、施工状況や出来形などを確認するものです。
改ざん検知システム
大林組などは20年12月、コンクリートの受け入れ検査時に測定した、
スランプ値や写真データなどの改ざんを防止、検知するシステムを開発しました。
一度登録したデータを改ざんすると見抜ける仕組みです。
写真に注釈を付ける
国交省は20年3月、デジタル写真管理情報基準を改定しました。
写真データに鉄筋間隔などの文字や寸法線を記した「注釈レイヤー」を加えたり、
動画で納品したりできるようになりました。
説明を加えることで、発注者が不正を見抜きやすくします。
CIMの活用
測量から設計、施工、検査まで3次元データを一気通貫で活用し、
日々の保存データを受発注者で共有します。
受発注者が現場の状況をリアルタイムで把握できることで、不正を防ぐ仕組みです。
さて、これらの制度を整備することで不正、手抜き、品質不良を防ごうとしていますが、
一方、手抜きを容認する社内風土があれば、どんな方法をとってでも、抜け道を探すものです。
「制度より風土」という言葉があります。
うそやごまかしを容認しない風土を作ることこそが、
不正を防ぎ、ひいては会社の発展を促進すると思います。
そのためにも、経営者、経営幹部の発信が欠かせません。
よりよい風土を作り、社会に信頼される建設業でありたいものです。
日経コンストラクション4月12日 安藤 剛、奥山 晃平
瀬川 滋著の記事を一部参考にしました。
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【編集後記】
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本日より幹部社員育成3ヶ月コースが始まります。
全国から部課長が集まり、幹部社員としての
資質を磨きます。がんばります。
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