社長ブログ

残業時間を減らすことができない会社の3つの処方箋とは【がんばれ建設1818】

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がんばれ建設 
~建設業専門の業績アップの秘策~
ハタ コンサルタント株式会社 降 籏 達 生
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■2021年8月6日
NO1818

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今日の一言
「そもそもを考える」
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現場や職場で問題が発生することはよくあることです。

それを解決するために、一所懸命に取り組んでも、

結果がでないことがあります。

では、どうしてこのような事態に陥ってしまうのでしょうか。

多くの場合、そもそも最初の「問題」を

うまく捉えられていない可能性があります。

起こっていることの全体像を押さえずに、

自分が気になった問題を解きにかかってしまい、

本来解くべき問題とは違う問題を解いてしまうということが

よく起こります。

若手社員の残業が多く、そのことで離職者が増えているという

問題があります。

何が問題なのかを考えてみましょう。

「問題」を間違えないためのポイントは3つです。

1)気になる箇所を複数ピックアップする

今回の例では、以下の2つを問題の候補として切り出すことができます。

・受け持つ仕事が多いことが問題

・個人が仕事を処理する時間が長すぎることが問題

2)解決策の具体的なイメージをもつ

次に、具体的にどのような解決策の方向性がありえるのかを考えてみましょう。

受け持つ仕事が多いことが問題であれば、仕事そのものを減らすことを前提に考えます。

例えば、

・余分な社内書類を減らす

・協力会社とのやりとりを減らす

・顧客とのやりとりを減らす

・外部や本社に仕事を委託する

といった解決策が考えられます。

仕事を処理する時間が長すぎることが問題であれば、

処理時間を短くすることを前提で考えます。

例えば

・ICTを導入する

・上司のリーダーシップを向上させる

(あいまいな指示をなくす)

・個人の技術力(知識、経験)を向上させる

・個人の時間管理能力を向上させる

(各自が段取りよく仕事ができるようにする)

・業務を標準化して考えこむ時間を短くする

といった解決策が考えられます。

ここまでの検討で、何が問題で、どんな方向性で、

解決していきたいのかが見えてきました。

一方、対策を実施することで、他の問題が発生しないかを考えます。

協力会社や顧客とのやりとりを減らして、品質や安全上問題が起きないか。

必要な社内書類を減らすと他の問題が起きないかなどです。

本来、解決策を考えるためには、詳細な分析が必要ではありますが、

大事なことは、思考を前に進めることです。

どっちを問題とすべきかで悩んでいる時間があったら、

その先を具体的に考えたうえで判断をするようにしましょう。

3)「そもそも」の視点で考える

先ほどの問題は、残業が多いのは、仕事の量が多いこと、

仕事の処理時間が長いことが原因だとしました。

しかし、そもそもで考えると、

配置技術者が少ないこと自体が問題だと考えることができます。

従来から、土木は1億円/人・年、建築は3億/人・年の出来高を上げることを

目標としていましたが、それは昭和の時代から変わっていません。

令和の時代の1人あたり目標出来高として妥当なのかを考える必要があるでしょう。

ここからわかることは、問題には階層があるということです。

下位のレベルの問題は、起こっている事象として見えてくるため認識しやすいですが、

上位のレベルの問題は、「そもそも何が問題か」という意識をもつ必要があります。

発生している事象だけに引っ張られないよう気をつけて、

「そもそも」で考えた時により上位の問題はないかを自問しましょう。

そして、問題の全体を押さえる努力をしていきましょう。

そのうえで、どれを問題として扱い、どんな対策を打っていくかを考えるようにしましょう。

現場に配置する技術者の人数を増やしても、

現場利益を確保するためには、

より原価を下げたり、技術提案力を向上させることで、

工事の収益性を向上させるすることも解決策の方向性です。

大切なことは、起こっている問題の全体像を押さえたうえで、

どこを問題として切り出し、対策を打とうとしているのかを

しっかりと理解できていることです。

努力して考えたのに、何か方向性が違うのではと言われてしまうことのないように、

以下の3つを意識するようにしましょう。

1 問題は複数あることを意識すること

2 どれを問題として扱うかの判断は、その問題を解決するための解決策は

 具体的にどんなものなのかをイメージすることで考えやすくなること

3 問題を考えるときにはそもそもの視点も持っておかないと

 表層的に見える問題だけに反応してしまう可能性があること

これら3つのポイントを理解して、取り組むようにする

だけで、結果は違ってくるはずです。

『入社1年目から差がつく 問題解決練習帳』

岡 重文著 を一部参考にしました。

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【編集後記】
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今日、コメダ珈琲店にいると店員さんが

「山田さん、こちらの席が空きましたよ」

と声がけしておられます。

どうも常連さんがいつもの席に座れなかったのが、

その席が空いたので声がけされたようです。

これがコメダ珈琲店躍進の秘訣だと感心しました。

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