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がんばれ建設
~建設業専門の業績アップの秘策~
ハタ コンサルタント株式会社 降 籏 達 生
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■2021年8月23日
NO1824
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今日の一言
「過剰適応はだめ」
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よく「思いやり」が大切だと言います。
「おもてなし」ということばも思いやりの一環です。
しかし、他人を思いやるだけでは生き残ることはできません。
たとえば企業は社会の役に立つことが大前提ですが、
自社の利益を度外視し、ひたすら社会や顧客のことだ
けを考えて活動していたら、いずれは倒産してしまうでしょう。
つまり、生き残るにはまず自分が勝たなければなりません。
しかも勝ちつづけなければならないのです。
ではどうしたら、他者への思いやりをもちつつ、
勝ちつづけることができるのでしょうか。
『科学がつきとめた「運のいい人」』にて中野信子さんは
次のように言っています。
そのコツは、勝ちすぎないことだ、と。
「過剰適応」という言葉があります。
生き残っていくためにはもちろん、環境に適応する必要があります。
しかし、過剰に適応しすぎてしまうと、それがかえって
絶滅のリスクになってしまうことがあるのです。
_「最適より好適」という言い方もあります。
最適はベスト、好適はベターという意味。
「最適より好適」とは、
「最適な戦略をとると、一時期は勝てるものの、
長期的なスパンでみると滅びてしまう可能性が高い。
よってベストよりベターな道を選ぶべき」
という意味です。
約1億年前、地球の主役は恐竜でした。
しかし6600万年前に地球の気温変化が起こり、
恐竜はその変化に耐えられずに絶滅してしまいました。
これは恐竜にとって、天敵が現れた、などという生やさしい出来事ではなく、
一気に命を奪われる出来事でした。
恐竜は、「過剰適応」してしまったばかりに、
環境の変化に耐えられなかったのです。
新しい環境に耐えて、さらに生き延びるには、
その環境に最適な適応をしてしまっていてはだめで、
「好適」くらい適応にしておき、遊びの部分を残しておく必要があるのです。
つまり、環境にあまりに適応しすぎて、ある条件のもとで
ひとり勝ちした存在というのは、条件が変わると、
変化に耐えられずにあっけなく危機的な状態に転落してしまうのです。
同じことが建設業界でもいえます。
お客様の単価があまく、ひとり勝ちしてしまった場合があったとしましょう。
以前、談合が行われていた当時の公共事業はそれに近い状況です。
しかし、談合廃止という環境変化があると、
過剰に適応していた会社は、倒産しています。
社員の長時間残業に支えられている会社
協力会社への低価格発注で利益を確保している会社
一部の顧客の継続受注で受注を確保している会社
社員教育せずに自己研鑽のみに頼っている会社
は、絶滅してしまう可能性が高いです。
自分(自社)だけが生き残って、ほかは全滅しようがかまわない、という道より、
自分も生き残るけれどまわりも生き残れる道を選ぶ。
まわりとうまく共存できる道を探る。
このほうが結果的に、長く生き延びることができるのです。