部下の手抜き行為をどのようにして防げば良いのか【がんばれ建設1837】
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がんばれ建設
~建設業専門の業績アップの秘策~
ハタ コンサルタント株式会社 降 籏 達 生
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■2021年9月13日
NO1837
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今日の一言
「データ改ざんを防ぐ」
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地質調査会社において、地盤調査報告書のデータを
改ざんしていたと事件が発生しました。
驚くべきことに、その作業を実施したのは、新入社員で、
その理由は「作業を省略したかった」のだといいます。
改ざんの手口は、スクリューウエイト貫入試験
(旧スウェ-デン式サウンディング試験 以下SWS試験)
で計測したデータを地盤調査報告書作成ソフトに読み込ませる際に、
ソフトの修正機能を用い、データの不足箇所に
同じ現場の別の地点のデータや隣接地のデータなどを
付け足していたのです。
このようなデータ修正機能は、多くの報告書作成ソフトが
有しており、不正は比較的容易にできます。
建築物の施主には、このことを伝え再試験などを実施したようですが、
その調査会社、ひいては建設業界全体の信用性を
低下させてしまう事態です。
会社が、社員の改ざんを防げなかった原因は、
報告書作成ソフトの修正機能を、誰でも容易に使えるように
していたことです。
これを、権限を与えられた人以外は修正できない仕組みに
すべきだったでしょう。
また、SWS試験と報告書を自動で連係させて、
調査員がデータをいじれないようにすることも大切です。
一方、個人が行った不正を、地質調査会社、さらには
建設会社がチェックで見抜くことは簡単ではありません。
建設物は人の命を預かっていること、
建設技術者はその根幹を担っていることを
十分に教育する必要があります。
また、その新入社員が「作業を省略したかった」原因の追及も
必要でしょう。
働き方改革の推進に伴って、過度な生産性向上、
残業時間短縮がその原因の一つかもしれません。
本事件を他山の石として、自社の品質管理システムの見直しを
実施したいものです。
日経クロステック/日経アーキテクチュア
2021.09.09記事を一部参考にしました。
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【編集後記】
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現在、ハタ コンサルタント株式会社では毎週、
全社員が抗原検査を実施しています。
安全、安心な研修、コンサルティングを提供できるよう
万全の対策を今後も打ち続けます。