社長ブログ

村田諒太選手はなぜ世界王者になることができたのか【がんばれ建設1843】

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がんばれ建設 
~建設業専門の業績アップの秘策~
ハタ コンサルタント株式会社 降 籏 達 生
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■2021年9月22日
NO1843

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今日の一言
「読書は疑似体験」
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一流の現場代理人に必要な能力には3つあります。

1)前に踏み出す力

2)考え抜く力

3)コミュニケーション能力

このうち、「2)考え抜く力」が弱い技術者が多いと感じます。

「直感」や「勘」と称して、

場当たり的に判断している事例をよく見かけます。

ではどうすれば、「考え抜く力」を高めることが

できるのでしょうか。

それは、「沈潜(ちんせん)する」ことだと思います。

「沈潜する」とは自己研鑽すること、自分を磨くことです。

そのためには、広く現実を見て、深く考える時間を

持つことが欠かせません。

そのための最適な方法は、本を読むことです。

本を読んで著者と一対一で対話する。

あるいは自分自身と対話する。

作品の本質に迫り、グッと自分の深い部分や

心の奥底に沈んで潜っていく感覚です。

静かな無音の空間、ゆったりとした時間の中で

他者と出会い、自分自身と出会うのです。

しかし建設技術者には、このような「沈潜する感覚」が

あまりにも少ないように思います。

毎日、電話、メール、打ち合わせ、会議に追われ、

深く考える時間を持っていない人があまりに多い。

そこで、毎日の1時間を読書をし、

「沈潜する時間」に変えるだけで、

世界は大きく変わって見えてくるのではないでしょうか。

深い世界に沈潜するということは、

時間をさかのぼることでもあります。

過去の偉大な人格に触れ、時代を超えたつながりを

持っている人ほど精神が強くなる。

今の時代だけを生きていると、ちょっと弱い。

例えば、はるか2500年前の仏陀とつながっている人は

人類史上最強のメンターを得たということでもあります。

当然それは心が強くなるでしょう。

ボクシングの村田諒太選手は読書家だそうです。

村田選手が、影響を受けた本の1冊として『夜と霧』を

挙げていました。

この本によって練習の辛さや試合の厳しさを

乗り越えることができたというのです。

この本は、ドイツに住んでいた精神科医の

ヴィクトール・E・フランクルは第二次大戦中、

ユダヤ人として家族とともに捕らえられ、

アウシュビッツに送られた時のお話しです。

想像を絶する過酷な状況で命を落とす人、

精神的におかしくなってしまう人など

極限の状況が繰り広げられます。

そんな中、フランクルは生きる目的を心の支えとして

力強く生き抜きました。

村田選手はその本を読むことで、どんなにつらい練習でも、

まだまだ自分は楽なほうだ、恵まれていると感

じられたそうです。

アウシュビッツの地獄に比べれば

減量のつらさも練習のきつさも比ではない。

日本人では難しいといわれたミドル級で世界を制した秘密は

村田選手の読書にあったのです。

極限状態のフランクルの体験は、村田選手の心を打ち

心身共に強くさせたのです。

読書の効用は「疑似体験」にあります。

この世には普通の人間がなかなか体験できないことや

体験したら終わってしまうことがあります。

アウシュビッツでの体験など、

私たちができるものではありません。

私は、「黒部の太陽」でトンネル工事を疑似体験し

「点の記」で測量を疑似体験しました。

また「無名碑」でダム工事や海外工事を疑似体験しました。

これらの書物を学生時代に読んでいなかったら、

今の私はなかったでしょう。

また、ピータードラッカーの経営論に接することで

ハタ コンサルタント株式会社の

経営を実践することができました。

本を読み、深い沈潜の時間を持つことで、

通常ではできない体験をする。

村田諒太選手もアウシュビッツという疑似体験を通じて、

自分を強くすることができたということです。

多くの建設技術者が、読書の習慣を持つことで沈潜する時間を持ち、

考え抜く力を身につけられますことを強くお勧めします。

「ネット断ち」齋藤 孝著を一部参考にしました。

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【編集後記】
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昨日と本日は、経営勉強会にオンラインにて参加しています。

最新の情報を得て、建設業に反映させます。