社長ブログ

一流の建設技術者はどのようにしてコンクリート打設するのか【がんばれ建設1851】

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がんばれ建設 
~建設業専門の業績アップの秘策~
ハタ コンサルタント株式会社 降 籏 達 生
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■2021年10月6日
NO1851

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今日の一言
「科学者であり数学者」
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建設業で技術者として仕事をする限りは、

一流になりたいと思っていることでしょう。

では一流の仕事とは何でしょうか。

天ぷら「みかわ是山居」の主人である早乙女哲哉さんは

次のように話しています。

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修業を始めた頃から、始終考えていたのは

「天ぷらとは一体何か」ということ。

自分のしていることを具体的に言葉で説明できなければ

きょうは調子がよかった、悪かったという話で終わってしまい、

コンスタントな仕事ができない。

そんなことではアーティストなどとは到底呼べないでしょう。

そこで、自分の行動に「いまがベストか」と

必ず問答を掛けるようにし、少なくとも天ぷらに関しては、

どんな質問を投げかけられても全部答えられるように

なろうと誓いました。

例えば天ぷらを「揚げる」とはどういう状態を言うのか。

私の出した結論は「蒸す」と「焼く」とを同時進行で行う、

ということです。

油自体は火がつく寸前の三百六十度近くまで

あげることができますが、

天ぷらの衣や魚には水分があるため、

揚げている素材は百度を超えることがありません。

揚げるというよりは、百度で「蒸して」いる状態です。

しかしそのまま油に入れておくと、徐々に水分が抜けていき、

完全に水が抜け切ったところは、

百度から一気に二百度近い温度へと飛ぶ。

すると百度で「蒸す」のと、二百度で「焼く」調理とが

同時進行で始まるのです。

その原理を認識していれば、魚のクセを取ったり、

衣をいかにつければよいかといったことが

自分自身で把握できるようになります。

理論はよく分からないが、油の中に入れていれば

勝手に揚がるなどと思っていると、

自分から何かを仕掛けていくことなど不可能で、

経験が蓄積されていきません。

詰まるところ、魚も、野菜も、元は皆生きるために

海の中にいたり、野にあったりしたもの。

それを、料理人は食べるために置き換える作業を

しなければならない。

いま、どこの料理の世界でも、

奇をてらったようなものが大流行りですが、

果たしてそれは本当においしいと言えるのか。

お客さんに面白い料理だと喜ばれればそれでいいのか。

真のクリエイターとは、科学者であり、数学者でもあり、

なおかつ優れた感性がなければいけないというのが

私の考えです。

したがってお客さんから「おいしいですね」と言われたら、

「えぇ、そうやって揚げてます」と答えられる。

天ぷらがおいしく揚がるよう、結果が必ずそうなるよう

一挙手一投足、計算し尽くした中でものづくりをしている、と。

それは即ち次に来ても、そうやって揚げられますよということであり、

この次も気を抜かずやらなければいけない、

という自分自身への戒めでもあります。

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ここで、「天ぷらを揚げる」を「コンクリートを打設する」

と言い換えてみましょう。

コンクリート工学はよく分からないけれど、

流しこんでバイブレーターをかけておけばよいと思っていると、

自分から何かを仕掛けていくことなど不可能で、

経験が蓄積されていきません。

真の建設技術者とは、科学者であり、数学者でもあり

なおかつ優れた感性がなければいけない。

したがってお客さんから

「きれいなコンクリートですね」

と言われたら、

「えぇ、そうやって打設してます」

と答えられる。

コンクリートがきれいに打設できるよう、

結果が必ずそうなるよう一挙手一投足、

計算し尽くした中でものづくりをしなければなりません。

私は一流の建設技術者とは、すべての行為に科学的、

数学的根拠があり、何度行っても同じ結果になるように

施工する人だと思います。

一流に少しでも近づけるよう、一層努力したいものです。

「1日1話、読めば心が熱くなる365人の仕事の教科書」

早乙女哲哉著を一部参考にしました。

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【編集後記】
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このところ毎日のように技術提案コンサルティング

業務のご依頼があります。

公共事業の発注が全国的に増えているようです。

一流の技術提案書を作成できるようがんばります。

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