建設技術者が成長する仕組みの作り方とは【がんばれ建設1855】
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がんばれ建設
~建設業専門の業績アップの秘策~
ハタ コンサルタント株式会社 降 籏 達 生
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■2021年10月14日
NO1855
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今日の一言
「遠くをはかるものは富む」
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2020年に卒業した学生が、就職先を確定する際に
決め手となった項目をリクルートキャリアが調べました。
すると1位は
「自らの成長が期待できる」
でした。
2位:福利厚生(住宅手当等)や手当が充実している
3位:希望する地域で働ける
を押さえて、自分が成長できそうな会社を
選んだというのです。
ではどうすれば社員が成長する会社を
つくれるのでしょうか。
業種は違いますが、ホテルの事例です。
ホテルは一見華やかに見えますが、
実際は長時間労働で
客からのクレームが多い業種です。
そういう意味では建設業に少し似ています。
ヒルトンホテルのことです。
ヒルトンというのは、かつては「ヒルトン学校」
といわれたほど、優れたホテルマンを育てる場として
知られていました。
単なる労働力をつくっていたのではなく、
ヒルトン出身であるという誇りを持った
ホテルマンを養成していたのです。
ヒルトンを辞めたときには、
次のような「証書」をいただけるそうです。
「あなたが働いてくれたことに我々は感謝し、
敬意を表します。
もし、あなたが 将来もう一度
ヒルトンで働きたいと思ったら、
いつでも再び採用することを約束します」
長野県伊那市に伊那食品工業という会社があります。
かんてんを原料とした食品を製造販売している
会社です。
私はすぐ近くの松川町にてダム工事をしていたので
この地域の状況がよくわかりますが、
かなり不便なところです。
しかしこの会社は毎年、20~30人の新入社員を
迎えるのに対して、
実際に応募してくる人たちは
2000~3000人はいるのです。
この会社の社是、哲学は、
「いい会社をつくりましょう」
その社是が刻まれた石碑の裏には、
塚越会長が敬愛する二宮尊徳翁の
「遠くをはかるものは富み、近くをはかるものは貧す」
の言葉が刻まれています。
伊那食品工業の24、5歳の女性社員に
「この会社の課題は何だと思いますか?」
と尋ねたところ
「自分が成長していないことです。
私がこの会社の課題です」
と答えました。
つまり自らの成長こそが、会社の発展につながると
いうことが、若い社員の心に刻まれているのです。
会社に社員を成長させる仕組みがあり、
それに社員が応える会社こそが、
繁栄するのだと思います。
『品格を磨く』高野登著(ディスカヴァー)を
一部参考にしました。