なぜ一流の技術者は「させていただく」を使わないのか【がんばれ建設1857】
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がんばれ建設
~建設業専門の業績アップの秘策~
ハタ コンサルタント株式会社 降 籏 達 生
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■2021年10月18日
NO1857
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今日の一言
「正しい日本語で相手の心をつかむ」
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私は、建設技術者のための研修を
ほぼ毎日行っています。
カリキュラムの一つに「プレゼンテーション」が
あります。
朝礼、地元説明会、発注者への説明の際、
プレゼンを行います。
多く建設技術者のプレゼンを聞くと
「させていただきます」
がとても多いことが気になります。
「私が現場代理人を務めさせていただいています」
「質問させていただきます」
「朝礼を始めさせていただきます」
文化庁は「させていただく」について
「敬語の指針」の中で次のように解説しています。
『基本的には、自分側が行うことを、
相手側又は第三者の許可を受けて行い、
そのことで恩恵を受けるという事実や
気持ちのある場合に使われる』
この指針から解釈すると、ポイントは2点あります。
・相手又は第三者の許可を受けている
・自分が恩恵を受けている
これに照らし合わせると、前述の3事例の
「させていただきます」は誤りです。
「現場代理人を務めています」
「質問いたします」
「朝礼を始めます」
がよいでしょう。
例えば、工事前に近隣住民の住宅に入って、
事前調査をする場合、「住民の許可を得て」行い、
その結果、工事がスムーズに行うという「恩恵」を受けるので
「住宅を調査させていただきます」
は正しい用法です。
また、「工法を変更させていただきます」を
考えてみましょう。
工法を変更するには「相手の許可」が必要です。
変更する主体は自分になりますので、
恩恵を受けるのは「自分」になります。
そのため「正しい使い方」です。
×「先日お送りさせていただいた資料は、
ご確認いただけましたでしょうか?」
↓
○「先日、お渡しした資料を、
ご確認いただけましたか?」
食事の際
×「いただかさせていただきます」
↓
「いただきます」
×「拝見させていただきます」(二重敬語)
↓
○「拝見します」
誤った用法で話すと、
相手の心をつかむプレゼンとはなりません。
意識して言葉を使いましょう。
『「バズる文章」のつくり方』尾藤 克之著
を一部参考にしました。
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【編集後記】
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10月15日にインフルエンザの予防接種を
打ってきました。
今年は、はやる見込とのこと。
皆さん早めの予防をしましょう。
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