社長ブログ

大きなミスをして辞表を出してきた部下に伝えるひと言とは【がんばれ建設1861】

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がんばれ建設 
~建設業専門の業績アップの秘策~
ハタ コンサルタント株式会社 降 籏 達 生
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■2021年10月22日
NO1861

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今日の一言
「逆境の時にこそ、その人の真価がわかる」
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誰しもミスはするものです。

その時の上司の対応で、ミスをした人の

人生が変わることがあります。

若手社員が辞めるきっかけは、現場での失敗、

という例が多いです。

その時に実際に辞めさせてしまうか、思いとどまらせるかは、

その時の上司のひと言が決め手になります。

以下朝日新聞10月8日の記事を一部掲載します。

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40年近く前の1983年、室田善弘さん(61)は

大手旅行会社の新入社員だった。

この年の10月、都内の公立中学校の修学旅行に同行。

同僚と2人で添乗員を務め、自分がチーフを任されていた。

行き先は定番の京都・奈良で、2泊3日の行程。

学校から東京駅までは貸し切りバスを手配していたが、

予定していた7時15分になっても来ない。

バス会社に電話すると

「今日、そんな予約はありませんよ」

と言われた。

室田さんが日程を間違えて依頼し、

前日の確認も怠っていたのだ。

教師や生徒、保護者たちは一様に

「えっ、大丈夫なの?」という表情。

なんで、たった1本の電話を怠ってしまったんだろうか。

今すぐ、この場から逃げ出したい。

「大変申し訳ありませんが、東京駅へは電車で向かいます」

悩む時間すら惜しいなか他の選択肢は見当たらず、

そう宣言した。

学校を出たのは7時半ごろで、東京駅へは

乗り継ぎも必要だった。

ホームの端から端まで分散して、

一斉に満員電車に乗り込むことに。

タイムリミットまで1時間半あったが、

駅で二百数十人分の乗車券を購入するなど、

絶えずバタバタしていた。

東京駅の新幹線ホームで、全員そろっていることを

確認したのは9時ジャスト。

出発の3分前だった。

校長先生のもとへ行き、経緯を説明して謝罪した。

「すべては自分の個人的なミスで、会社は何も悪くありません」

しかし校長先生からは

「今回の件を許すことは、まかりならん!」

と一喝された。

怒られて頭が真っ白になり、

会社を辞めるしかないと思った。

この修学旅行が最後の仕事だ。

そう思って気持ちを切り替えた。

せめて迷惑をかけた罪滅ぼしになればと、必死で働いた。

昼は急病になった生徒に対応したり、

夜は生徒指導の教師といっしょに

宿舎内の見回りをしたり。

旅程管理だけでなく、自分ができる

精いっぱいのことをした。

修学旅行を終えた翌日、辞表を持って出社。

自分が責任をとって退職でもしない限り、

許してもらえないと思っていた。

辞表を渡そうと上司のところへ行ったら、

反対に一通の封書を渡された。

「昨日、校長先生からお前に渡してくれと

預かったものだ」

開いてみると、達筆でこんな風に書かれていた。

「自分の失敗を挽回(ばんかい)するために

必死になっている人を見ると、誰だって応援したくなります。

それが人情というものです。これからも宜(よろ)しく」

入社直後からトップセールスを続けて、

てんぐになっていた自分を猛省した。

こんな風に応援してもらえたり、感謝してもらえたり

するのが仕事なんだ、と気づかされた。

校長先生とは、その後も交流が続いた。

校長先生が教育委員会に転任してからは、

個人的な付き合いも始まった。

あの時の手紙に加えて、人生の節目でもう一つ、

校長先生から贈られた言葉がある。

「逆境の時にこそ、その人の真価がわかる」

修学旅行から7年後、室田さんの結婚披露宴での

あいさつだ。

「先生ありがとうございます。

先生のお言葉、今も大切にして生きています」

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心に響くその一言が、とりわけ若手社員人生を決めます。

ピンチに追い込まれたこそ、厳しくも温かい言葉を

かけたいものです。