社長ブログ

どうすれば相手のノーをイエスに変えられるか【がんばれ建設1873】

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がんばれ建設 
~建設業専門の業績アップの秘策~
ハタ コンサルタント株式会社 降 籏 達 生
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■2021年11月11日
NO1873

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今日の一言
「相手の頭の中を考える」
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建設技術者は日常的に「交渉」をしています。

顧客、協力会社、近隣住民との交渉で、相手のノーを

イエスに変えないと工事はスムーズに進みません。

ではどうすればノーをイエスに変えることができるの

でしょうか。

事例をご紹介します。

小高い丘の上にある公立中学校では、「置き勉(教科

書などを学校において帰ること)」が禁止されていました。

毎日、教科書や習字道具、部活動の道具など、すべて

を持って帰らなければいけなかったのです。

持っているカバンの重さは、18キロ以上に及ぶこと

もあります。

「この状況を何とかしたい」。

これは全校生徒の思いでした。

一方、学校側は、荷物の重さには問題を感じていまし

たが、「自宅学習をしなくなるのでは?」「置いて帰

ると管理上の不安が出る」などの心配があり、置き勉

を認めることができなかったのです。

そこで、放送部の生徒たちが動きました。

自作の動画を作って、置き勉を認めてもらおうとした

のです。

動画では、現状を伝えるために、たくさんの生徒にイ

ンタビューをしました。

また先生に実際の重さを体感してもらう実験もしました。

そうして、改めてカバンの重さを訴えかける工夫をし

たのです。

さらに、学校側が懸念している「自宅学習への影響」

「管理上の不安」を解消するために、あるメッセージ

を生徒たちの声で収録しました。

「忘れ物が多くなるんじゃないか。

家で勉強をやらなくなるんじゃないか。

教室やロッカーがぐちゃぐちゃになるんじゃないか……。

『大丈夫だろう』と思わせる『生徒力』が問われてい

るのです」

このように「置き勉がしたい」と要求するだけでなく

学校側が心配している事態にならないように、「自分

たちも変わる」と訴えかけたのです。

動画は学校側を動かしました。

先生たちは、置き勉の実現に向けて、何度も話し合い

ルールを検討しました。

その結果、生徒を信頼して、自分たちで持ち帰る教材

を決めてもらうという判断を下したのです。

現在、その中学校の生徒のカバンは、これまでと比べ

てかなり軽くなりました。

動画制作の中心にいた生徒はこう言っています。

 「カバンが重いと伝えるだけでなく、自分たちにでき

ることは何なのかを伝えることも大切だと思ったんです」

出典:広島市立牛田中学校PC放送部制作ビデオ

「The School Bag is Heavy」

YouTube動画はこちら

https://www.youtube.com/watch?v=JyB7hXlaXQo

相手のノーをイエスに変える3つのポイントがあります。

1)自分の頭の中をそのまま言葉にしない

2)相手の頭の中を想像する

3)相手のメリットと一致するお願いを作る

今回の場合、

1)「置き勉がしたい」と言わない

2)先生の考えていることを想像する

忘れ物が多くなるんじゃないか。

家で勉強をやらなくなるんじゃないか。

教室やロッカーがぐちゃぐちゃになるんじゃないか

3)先生のメリットと一致するお願いを造る

先生が『これなら大丈夫だろう』と思わせる『生徒力』

を発揮しよう

これを建設現場に当てはめると次のようになります。

「書類の提出は1日間待ってください」と言わずに「あ

と1日いただければ、詳細の分析結果とともに書類提出

します」という。

「工事区域に入らないでください」と言わずに「工事

区域に入ると汚れます」という。

「(協力会社に対して)この仕事を引き受けてくださ

い」と言わずに「利益率がよいけれど短工期の工事と

利益率はさほど良くないけれど長工期の工事、どちら

がいいですか」という。

「残業して図面を仕上げてくれない?」と言わずに、

「現場の職人が、君が書いた図面がわかりやすいので

どうしても君に書いて欲しいというんだ」という。

「(職長に)あすの災害防止協議会に参加してくださ

い」と言わずに、「他の人が来なくても,斉藤さんだ

けは来ていただき,安全の重要性を話して欲しいんで

す」という。

「(部下に対して)資格試験の勉強をしなさい」と言

わずに「私は今から○○の勉強をするんだけど、一緒

勉強しない?」という。

「(近隣住民に)工事騒音を我慢してください」と言

わずに「(私は)一日も早く子供達が安全に歩ける道

路を完成させたいと思っています。ご協力ありがとう

ございます。」という。

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【編集後記】
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コロナ禍が収まりつつある中、電車での移動機会が

増えてきました。

同時に読書時間が増えてうれしく思います。

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