「人生お一人様一回限り」靴下に人生をかけた男に学ぶ【がんばれ建設1914】
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がんばれ建設
~建設業専門の業績アップの秘策~
ハタ コンサルタント株式会社 降 籏 達 生
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■2022年1月27日
NO1914
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先日、ある方の訃報に接し、とても驚き、悲し
い気持ちがあふれました。
その方のお名前は越智直正さん。
越智さんは、15歳の時に、自分の人生をかける
仕事に出会い、それ以来、死ぬまでひとつの仕
事に情熱を傾け、真っ直ぐに生きてこられた方
です。
「靴下屋」「tabio」のブランドで有名なタビオ
の会長です。
とても履きやすい靴下で、私が持っている靴下
はほぼすべて「tabio」です。
越智直正さんが大阪の靴下問屋に就職したのは
1955年、15歳のとき。
「10年で独立したい」と考えていましたが、な
かなか勤務先の社長の許しが出ず、ようやく独
立の機会が訪れたのは13年目のこと。
社長からあらぬ疑いをかけられ、思わず「辞め
させてもらいます!」と宣言してのことでした。
その日の夜には住み込みで働いていた部下2人も
会社を追い出され、越智さんの6畳一間の自宅で
同居することになりました。
その後も苦労に苦労を重ねられました。
そして今やタビオは数少ない「Made in Japan」
の靴下を企画・販売できる企業として、国内に
競合企業が見当たりません。
あくまでも品質にこだわった「お客さまの足に
やさしい靴下」を提供する企業へと成長しまし
た。
6畳一間からスタートした会社が大阪の一等地の
高層ビルに本社を構えるようになり、2000年に
はついに大阪証券取引所2部に上場したのです。
越智さんは言います。
「でもね、商売は我欲でやってはいけない。
僕は創業当初の苦しい時期、信じてついて来て
くれた2人の部下のために頑張れた。
今はここまで育ててくれた靴下業界の未来を考
えています。
靴下は僕の夢。
60年以上靴下のことばかり考えてきたのに、い
まだに最高の靴下を創り上げていない。
理想の靴下とはね、人の皮膚のように履いた感
覚のない靴下ですよ。
その感覚を追い求めて、普段から僕は素足で過
ごしています。
夢は未だかなわずですが、まだわからんよ。
あと2~30年は頑張るつもりだから」
「人生お一人様一回限り。情熱をもって生きよ」
たかが靴下かもしれませんが、されど靴下です。
私たちも建設の仕事に誇りを持って、やり抜く
ことで、やりがい、働きがいにつながることと
信じます。
越智さんのご冥福をお祈りします。
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