社長ブログ

なぜ残業を45時間以上すると生産性が下がるのか【がんばれ建設1946】

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がんばれ建設 
~建設業専門の業績アップの秘策~
ハタ コンサルタント株式会社 降 籏 達 生
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■2022年3月17日
NO1946

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2024年に働き方改革法が施行され、残業時間は
1ヶ月45時間以内に規制されます。

しかし現状ではまだそのレベルに達していない
建設会社が多いようです。

日本人の労働時間は先進国の中でもとくに長
いです。

ILO(国際労働機関)の最新データによると、
週49時間以上の長時間労働を行う労働者の割合
は、米国の14%、EU(欧州連合)主要国の
6〜11%程度に対し、日本では18%です。

調査によると、労働時間が週49時間未満なら、
生産性は労働時間にほぼ比例して増加します。

しかし49時間以上になると、1時間当たりの
生産性は減少し、60時間を超えると、労働時間
が増加しても生産量は増えないようです。

月あたり残業時間規制45時間というのは
この結果から見てもうなずけるものです。

建築設計事務所から提供されたデータを使っ
て、残業と生産性の関係を検証しました。

その会社では、2008年に発生したリーマン
ショックの影響で、労働時間が減少しました。

その結果、残業時間が減少し、労働生産性は
改善されたのです。

また、労働時間の短縮により全員の生産性が向
上すると、最も優秀なメンバーはより多くの業
務をこなす一方、生産性の低いメンバーはチー
ムから締め出されて他業務に回りました。

そのため、スリムになったチームの生産性改善
が進んだというのです。

ではなぜ、労働時間が一定レベルを超えると生
産性が低下するのでしょうか。

理由は疲労です。
疲労に伴い集中力が低下して、生産性が低下
しているのです。

また、フレックスタイムなどにより働く時間帯
を柔軟に決められると、長時間労働を行って
も、生産性の低下はより緩やかになることが
わかりました。

例えば、夜遅くまで仕事をするのが好きな人
が、早起きを強制されると生産性を高められな
くなるのです。

また、余暇を間に挟むことで、従業員は適宜リ
フレッシュしながら働けます。

現在、コロナ禍で在宅勤務が増加していますが
これは生産性向上のチャンスと言えるでしょ
う。

建設現場勤務を在宅勤務に変えることはできま
せんが、設計、積算や施工計画書作成、予算書
作成などの業務は、テレワークにすると生産性
が向上しそうです。

Never let a good crisis go to waste!
コロナ禍を 「よい危機」ととらえ、無駄にし
ないようにしたいものです。

東洋経済2022.02.18上官 若、大湾 秀雄著を
一部参考にしました。

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【編集後記】
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まん延防止措置が解除されるようで、4月に
新入社員を迎える会社は一安心ではないでしょ
うか。

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