なぜ会社を辞める人は本当の理由を言わないのか【がんばれ建設1993】
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
がんばれ建設
～建設業専門の業績アップの秘策～
ハタ コンサルタント株式会社 降 籏 達 生
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■2022年6月17日
NO1993
◆なぜ会社を辞める人は本当の理由を言わないのか
厚労省の雇用動向調査によると、令和2年1年間の
離職者数が入職者数を上回りました。
多くの建設会社が、定着率が低いことの悩みを
持っておられますが、全国的な傾向だということです。
◆離職者は本当の理由を言わない
会社側で把握している離職理由で多いのは、
次のようなものです。
・キャリアアップしたい
・仕事が自分に合っていなかった
・実家や親族、友人の仕事を手伝うことになった
・家庭の事情で働くのが難しくなった
・給料や労働条件に不満があった
これらはたいていは「建前」です。
◆本当の離職理由とは
現場での聞き込み、アンケートによると、
離職者の本音は以下のようです。
・上司、同僚など、職場の人間関係がうまくいかなかった
・会社の方針についていけない、共感できない
・仕事が面白くない、やりがいを感じない
・会社や業界に将来性を感じない
・給料や労働条件に不満があった
・成長を感じられない、さらなる挑戦をしたい
なかでもとりわけ多いのが、
「上司との関係がうまくいかなかった」
というものでした。
◆どうしたら本音が聞けるのか
ではどうしたらとりわけ若手社員の本音が
聞けるのでしょうか。
福島正伸先生は、相手の心を開く6つのキーワードがあると
おっしゃっています。
1)感謝
2)学び
3)共感
4)長所
5)出番
6)励まし
事例でお話しします。
部下から
「今の仕事は自分に合っていないと思うのですが」
と相談があったとします。
その際、「そんなことはない。君に建設の
仕事は合っていると思うよ」
とか
「最初から合っているかなんてわからいものだ。
時間が経つとわかるようになるぞ」
などと言っても心は動きません。
6つのキーワードを使うと次のようになります。
1)感謝
私に相談してくれて、ありがとう！
2)学び
あなたの仕事の進め方は私も勉強になるよ。
3)共感
私もあなたと同じように、今の仕事が自分に
あっていないと思ったことがあったんだ。
4)長所
あなたの長所は、仕事に真面目に
取り組むことだと感じます。
5)出番
一度ざっくばらんに話しをする場を作るので
ぜひ一緒にこれからの人生について語り合おうよ。
6)励まし
よりよい人生を歩めるよう、お互いがんばろう。
ここで大切なことは、アドバイスをしない
ということです。
相手に対して
（あなたが）「・・せよ」「・・した方がよい」
というアドバイスではなく
（私は）「・・という出番があるよ」
「・・してあげることができるよ」
という方がよいということです。
このように話すことで、相手の心が開かれ
本音で話してくれるようになります。
6つの方法をぜひご活用ください。
参考資料
「令和2年雇用動向調査結果の概要」
「令和2年雇用動向調査結果の概要
(転職入職者が前職を辞めた理由)」
東洋経済 5/26
藤田 耕司氏の記事を一部参考にしました。