民間工事では4週8休のための工期設定が遅れている実態【がんばれ建設1998】
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がんばれ建設
~建設業専門の業績アップの秘策~
ハタ コンサルタント株式会社 降 籏 達 生
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■2022年6月24日
NO1998
働き方改革に伴い、施主、発注者が適正な
工期設定をする必要が求められています。
では何をもって「適正な工期」というのでしょうか。
国土交通省は、工期設定等の実態について調
査を行い、6月15日にその結果を発表しました。
これは、特に民間工事における取組を強化して
いく目的で実施されたものです。
公表結果は以下です。
https://www.mlit.go.jp/report/press/tochi_fudousan_kensetsugyo13_hh_000001_00113.html
建設企業1933社
発注者42社(民間企業)
が回答総数です。
調査結果の概要です。
・注文者から提案された工期について、
「妥当な工期の工事が多かった」66.6%
「短い工期の工事が多かった」29.2%
「著しく短い工期の工事が多かった」1.6%
・平均的な休日の取得状況
「4週6休程度」44.1%
「4週8休以上」8.6%
・「(著しく)短い工期の工事だった」と
回答した建設企業の割合
発注者の属性
小売(44.3%)
不動産業(38.4%)
学校教育(38.1%)
(全体平均(26%))
・実際に取得できた休日
「4 週 8 休以上」と回答した建設企業の割合
発注者の属性
小売(4.3%)
不動産業(4.6%)
医療・福祉(5.3%)
住宅メーカー(5.6%)
(全体平均(11.0%))
・「(著しく)短い工期の工事が多かった」と
回答した建設企業の割合
一次下請工事を主とする企業 36.8%
二次以下の下請工事を主とする企業44.9%
このように、発注者の属性によって、
また請負階層が下がるほど短工期を
要求されているケースが多いことがわかりました。
令和2年の建設業法改正にて、著しく短い工期が
禁止されましたが、民間工事や下請け工事においては、
まだ十分に配慮されていないようです。
人手不足の解消、従事者の待遇改善のためにも、
一層工期設定への配慮が必要です。
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【編集後記】
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暑い日が続きます。
空調服が手放せない季節になりました。
くれぐれもご安全に。
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