あなたの部下のやる気を数値化する方法と【がんばれ建設2013】
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がんばれ建設
~建設業専門の業績アップの秘策~
ハタ コンサルタント株式会社 降 籏 達 生
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■2022年7月27日
NO2013
◆あなたの部下のやる気を数値化する方法とは
部下のやる気を高めたいという方は多いことでしょう。
心理学者のリチャード・ハックマンと
経営学者のグレッグ・オルダムが理論化した
「職務特性モデル」を紹介します。
このモデルでは、モチベーションを高めるためは
以下の「5つの特性」が必要であるとされています。
1 技能多様性
仕事に必要な能力が複雑で多様だと、
たいへんではありますが、やりきったときの
モチベーションは上がります。
逆に、単純でシンプルな仕事では
モチベーションが上がりにくいです。
施工管理の仕事は、かなり複雑で多種多様なことがあるので
技能多様性は高いと言えます。
一方、毎日測量ばかりとか、数量計算ばかりという状態では
やる気が下がります。
2 タスク完結性
仕事のすべてを担当していると
完結性が高くモチベーションが上がります。
一方、ある部分だけを担当し、かつ全体像と
自分の位置づけが見えないとモチベーションが下がります。
少人数で担当する工事はモチベーションが
上がりやすいですが、大規模工事で一部だけ
担当する場合、歯車のように感じてしまい、
やる気が下がりがちです。
そのような場合、工事の全体像を伝えたり、
会社の業績全体を伝えることでやる気が上がります。
3 タスク重要性
自分の仕事が会社や社会に好影響を
与えていると感じると、モチベーションが上がります。
建設の仕事は、行った仕事が形になって残るので
やる気を感じやすいです。
一方、あちこちの現場の応援ばかり行っていたり
竣工時に現場にいないと、仕事の実感を感じにくいものです。
これら3つが高いと「仕事の有意義感」が高まります。
4 自律性
仕事を自分のやり方で取り組めると
モチベーションが上がります。
一方、すべてやり方が決まっていたり、
権限が少ないとやる気は下がるでしょう。
施工管理技術者は現場において、かなりの裁量権があるので、
モチベーションが上がる仕事です。
一方、上司が細かい指示をしすぎたり、
従来の方法を押しつけ、新技術、新工法、ICT化を制限すると
やる気が下がります。
自律性が高いと、仕事の責任感が高まります。
5 フィードバック
仕事の経過や結果に対して、反応があると
モチベーションが上がります。
これは上司や部下からだけではなく、お客様、
協力会社、仲間からのフィードバックが含まれます。
フィードバックは、褒める、叱る(注意する)、
任せるを使い分ける必要があります。
フィードバックが多いと、結果への理解が高まります。
◆モチベーション・ポテンシャル・スコア
これら5つの特性を用いて
モチベーション・ポテンシャル・スコア(MPS)
によってやる気を数値化できます。
MPS=(技能多様性+タスク完結性+
タスク重要性)/3 ×自律性×フィードバック
この数式の重要なことは、自律性、フィードバックの
いずれかが0だと、かけ算のため、
合計が0になってしまうということです。
部下に対して、多様性があり、自己完結していて、
重要な仕事をさせていたとしても、
仕事の責任感を感じさせず、
結果や行動の良し悪しをフィードバックしていないと
部下のモチベーションは上がりません。
ぜひあなたの部下のMPSを算出してみてください。
人には、「やりたいこと」、「やれること」、「やるべきこと」
があります。
部下のモチベーションを高めるために、
こらら3つを把握することが重要です。
1)「傾聴」によって部下の「やりたいこと」(欲求)を把握する
2)「観察」によって部下の「やれること」(能力)を見極める
3)「説明」によって「やるべきこと」(義務・役割)を理解させる
この3つが重なる仕事を部下に責任を持ってやらせ
その結果に対してフィードバックすることで
モチベーションが上がります。
「傾聴」「観察」「説明」を繰り返すことで、
MPSを高めることができます。
『組織論再入門』野田稔著を一部参考にしました。
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【編集後記】
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遅ればせながらマイクロソフトTeamsを本格導入しました。
慣れるまで時間がかかりそうですが、
使いこなしたいものです。
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