なぜプレゼンで「~なります」「~のほう」と言うと失敗するのか【がんばれ建設2016】
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がんばれ建設
~建設業専門の業績アップの秘策~
ハタ コンサルタント株式会社 降 籏 達 生
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■2022年8月1日
NO2016
◆なぜプレゼンで「~なります」「~のほう」と言うと失敗するのか
建設技術者にとって、プレゼンテーション能力を
高めることは欠かせません。
朝礼、地元説明会、顧客への工法説明などにて
相手の心をつかむ話し方をすることは、
現場運営をスムーズにするために必要なことです。
しかし、どちらかというと人前で話すことは
苦手な人が多いようです。
私が建設技術者のプレゼンを聞いていて、
特に気になるのは、「バイト敬語」です。
「バイト敬語」とは、アルバイトで接客をする時に、
丁寧な言葉遣いをしようとするあまり、
逆に誤って使う敬語のことです。
私たちは、コンビニやレストランで日常的に
「バイト敬語」に接しているため、
朝礼や説明会でのプレゼンにて、つい誤った敬語を
使ってしまっています。
これでは相手の心をつかむことはできません。
事例でお話しします。
◆~になります
バイト敬語「計画では10階建てのマンションになります」
正しい敬語「計画では10階建てのマンションです」
「~になる」というのは、変化を表す言葉です。
当初8階建てだった計画が、10階建てに変わったのなら
正しいですが、最初から10階建てであれば誤った表現です。
◆~のほう
バイト敬語「今から朝礼のほう始めます」
正しい敬語「今から朝礼を始めます」
「~のほう」というのは複数のものに対して、
どちらか一方という意味があります。
例えば朝礼とKYKを実施する際、
「今日は、KYKのほうを先に実施します」
という表現なら正しいのですが、
そうでない場合は、誤った敬語です。
◆よろしかったでしょうか
バイト敬語「施工法は、A工法で○○でよろしかったでしょうか?」
正しい敬語「施工法は、A工法でよろしいでしょうか?」
「よろしかった」という表現は過去形です。
つまり過去に確認したことがある事柄について、
もう一度確認するような言い回しです。
2回目以降の確認ならば「よろしかった」でも
問題ありませんが、そうでないのなら
「よろしいでしょうか」のほうが適切です。
以下はプレゼンでは使いませんが、
日常的に使いがちは「バイト敬語」です。
◆もしもし
バイト敬語「もしもし。○○建設です」
正しい敬語「お電話ありがとうございます。○○建設の××です」
会社で固定電話を受ける際は、電話の相手が誰であっても
失礼のないよう最初に「お電話ありがとうございます」
と言うのが一般的です。
また相手が名乗る前に自分が先に名乗るのがマナーです。
◆お休みをいただいております
バイト敬語「○○部長は本日お休みをいただいております」
正しい敬語「部長の○○は本日休みを取っております」
電話の相手からお休みを「いただいている」
わけではないので、この表現は正しくありません。
また自分の上司を指す時に○○店長や○○主任など
役職で呼んだり、○○さんと呼んだりしてしまいがちですが、
社外の人に説明する際には名字のみで呼ぶのが正しいです。
◆了解です
バイト敬語「了解しました」
正しい敬語「承知しました」もしくは「かしこまりました」
「了解です」はかなりくだけた表現です。
上司や先輩でも親しい間柄なら問題はないでしょうが、
やはり仕事で使う言葉は正しい敬語のほうが良いです。
若い方はともかく、ベテランと言われる技術者が
上記のような「バイト言葉」で話していることを
よく耳にします。
そのことで、その人の技術力も低く見られてしまいます。
自分が丁寧に話しているつもりでも、
違和感を覚える相手がいるのも事実です。
From A記事を一部参考にしました。
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【編集後記】
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プレゼンでは、今回書いたことに加えて
「えー」「あのー」という雑音も目立ちます。
口を開けたまま考えると、えーという音が出てしまいます。
口を閉じて考えるように気をつけましょう。
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