部下と現場を一緒に歩いているだけでOJTと言えるのか【がんばれ建設2021】
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がんばれ建設
~建設業専門の業績アップの秘策~
ハタ コンサルタント株式会社 降 籏 達 生
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■2022年8月18日
NO2021
◆部下と現場を一緒に歩いているだけでOJTと言えるのか
人材育成は、OJT(オンザジョブトレーニング)職場内
教育、とOFF-JT(オフザジョブトレーニング)職場外
教育に分かれます。
OJTとは上司が部下に対して、仕事をしながら教育をすることで、
OFF-JTとは職場から離れて、外部研修を受講したり、
DVDや書籍などの教材を用いて学ぶことです。
それぞれメリットとデメリットがあるので両方重要ですが
やはり多くの時間を占めるOJTを有効なものにすることが
より大切でしょう。
一方、
部下は上司の背中を見て覚えるもの
一緒に仕事をしていると部下は育つだろう
忙しくて部下を育てる余裕がない
などという理由で、効果的なOJTを
実施してないことが多いです。
OJTを通じて部下が成長するためには、
以下のサイクルが必要です。
→業務を経験する(上司の支援をうけながら)
↑ ↓
↑ 内省する(自ら振り返って、やり方を改善する)
↑ ↓
↑ 自分の持論にする(自分のやり方に落とし込む)
↑ ↓
←実践(さらに実践する)
このサイクルを回すために上司は以下の支援が
必要です。
1)業務支援;技術を教える、仕事の仕方を助言する
2)内省支援;1週間、1ヶ月を振り返って改善点を指摘する
3)精神支援;うまくいったことを褒め、改善すべきことを注意する
私はそのため、隔週で1時間程度、上司と部下が
向き合う時間が必要だと思います。
1)業務支援 は仕事をしながらでもできるでしょうが
2)内省支援や、3)精神支援は
きちんと向き合って伝えることが必要でしょう。
「ロミンガーの法則」によると、「日々の仕事経験」と
「他者からの薫陶」が人の成長に大きな影響を及ぼすと
されています。
「薫陶」の語源は、香をたいて薫りを染み込ませ、
土をこねて形を整えながら陶器を作り上げること。
ひいては、徳の力で人を感化し、教育することの意です。
また、OJTを通じて部下と共に、上司も成長します。
部下への支援を通じて、上司も人間的な幅を広げて
成長することができるのです。
現場を一緒に歩いているだけではOJTとは言えません。
真のOJT手法を理解して、実践してみましょう。
PHP的場正晃氏の記事を一部参考にしました。
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【編集後記】
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お盆休みの方が多い中で、お盆中しかできない工事を
されていた方もいらっしゃることでしょう。
暑い地域、雨が多い地域にて現場で
がんばっておられる皆さん、くれぐれもご安全に。
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