社長ブログ

文系出身建設技術者は本当に現場で活躍できるのか【がんばれ建設2024】

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がんばれ建設 
~建設業専門の業績アップの秘策~
ハタ コンサルタント株式会社 降 籏 達 生
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■2022年8月24日
NO2024

◆文系出身建設技術者は本当に現場で活躍できるのか

建設業の人手不足が続いています。

2022年4月の求人倍率(リクルートワークス研究所調べ)は

次のとおりです。

建設業       7.70倍

製造業       1.81倍

流通業       7.77倍

金融業       0.22倍

サービス・情報系業0.35倍

全体         1.28倍

全体の求人倍率1.28倍に対して、建設業は7.70倍

(1人の学生に対して求人企業が約8社ある)となっています。

またこの数値は企業規模によっても

大きく異なり、中小企業はとりわけ

採用しにくい状態になっています。

2022年4月企業規模別求人倍率(リクルートワークス研究所調べ)

300人未満    5.31倍

300~999人   1.12倍

1000~4999人 1.11倍

5000人以上   0.37倍

これまで建設会社は建設技術者として、

土木科、建築科を卒業した方を採用してきました。

上記の状況によりそれではとても間に合いません。

そこで私は大学の文系学科卒業生を

積極的に採用すべきだと思います。

そもそも高校生の時に理系、文系を選択するのですが

国語や数学が好きか嫌いか程度のことで

選択する学生が多いのです。

また学科を選ぶ際にも、その学問が好きか嫌いかでなく

入れるか、入れないかで選ぶ学生が多いでしょう。

一方、施工管理をするための資格である

一級施工管理技士は、文系学科卒業者は実務経験4.5年で

受験できます。

土木・建築系学科卒業者は実務経験3年で

受験できるのでその差はわずか1.5年です。

ぜひとも、土木・建築系学科の学生だけでなく

その他の学科の学生も含めて採用するようにしましょう。

さて、文系出身技術者の採用については、

賛否両論あります。

◆賛成ご意見

・文系出身建設技術者が現場で活躍できるとは

気がつきませんでした。

採用戦略を見直します。

・弊社にも文系出身建設技術者がいます。

土木建築出身者より、書類作成能力や

コミュニケーション能力が高く、かえって理系出身者より優秀です。

・文系出身建設技術者の声

入社当時、建設業界からの募集は技術系学科を

卒業するのが条件で、文系は営業しかありません。

唯一地元の合同説明会で今の会社に出会えて

就職できました。

文系出身で困ったことはありません。

逆に書類作成能力が高いと、検査書類作成時に重宝されました。

技術的には、土木・建築学科で本当に勉強した人には

かないませんが、そこそこいけます。

◆批判的な意見もあります。

・建設を愛する気持ちは、土木建築出身者が強く

いざというときに力になるのは、

やはり理系出身者だと思います。

・文系出身建設技術者では、土留め、型枠支保工、

仮設の計算ができないのではないでしょうか。

私は、すべての建設技術者を文系に、

と言っているわけでなく、

お互いの長所を活かし合うような形がとれれば

良いのではないかと思います。

文系学科出身者への求人は、大半が営業職です。

営業が嫌いな学生と、ものづくりがしたい学生が

かなりの数います。

その人達にうまくアプローチすれば、

戦力になる人材を採用することができます。

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【編集後記】
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昨日スポーツドクター辻秀一さんの講演会を開催しました。

リーダーとは、自分の機嫌を自分で取ることができる人、

そして周りの人をわかってあげることで支援することが

必要とのことでした。

不機嫌な自分を反省し、周りの人を支援する力を

習得する必要があることに気づきました。

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