「では、よろしく頼む」というとなぜ部下のやる気がなくなるのか【がんばれ建設2031】
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がんばれ建設
~建設業専門の業績アップの秘策~
ハタ コンサルタント株式会社 降 籏 達 生
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■2022年9月7日
NO2031
◆「では、よろしく頼む」というとなぜ部下の
やる気がなくなるのか
現場で部下に改善提案を求めることは
よくあることです。
その時に上司の言葉によっては、部下のやる気が
削がれます。
NG例
部下A「現場巡視時に見落としがないようにするため、
チェックリストを作った方がよいと思います」
上司B「それはいいね。じゃあAさん、よろしく頼むよ」
部下A「はい……(ただでさえ忙しいのに、余計な仕事を
増やしてしまった……)」
こうなると、部下は新たな提案をしようとする
気持ちになりません。
では上司はどういえばよいのでしょうか。
良い例
部下A「現場巡視時に、見落としがないようにするため
チェックリストを作った方がよいと思います」
上司B「ナイスアイデアだね。どう分担していこうか」
部下A「はい。今度の定例でみんなに共有してみます」
× じゃあ○○さん、担当よろしく
↓
○ どう分担していこうか
のように声がけするとよいのです。
改善提案の発案者に任せてしまうのではなく
「みんな」で改善しようというと心理的安全性が増します。
また次のような場合はどうでしょうか。
新規の工事案件を受注しました。
会社としてはありがたいことなのですが、
社員からすると、また仕事が増えるという
憂鬱な気持ちになることもあるでしょう。
NG例
上司B「新規工事を受注したぞ。
みんな忙しいところたいへんだけど、がんばろう」
部下A「・・・・」
このように、部下は疲弊してしまいます。
ではどう言えば良いのでしょうか。
OK例
上司B「新規工事を受注しました。
はじめてのお客様なので良い工事をしたいと思います」
部下A「はい。われわれもスムーズに現場が進むようがんばります」
B「そこで「やめたほうがいい』仕事を洗い出したいと思います」
A「え? 『やめたほうがいい』ってどういうことですか?」
B「今でも忙しい中、新しい工事が増えると、私たちの
仕事はかなり多忙になると思います。
とはいえ、すぐに人員を増加することもできません。
そこで、やめることができる仕事がないか、
現在の業務内容を見直してみましょう」
A「えーと……(言いづらそう)」
B「もし、何かひとつ、絶対にやめないといけないとしたら、
何をやめますか?」
A「……月次の、××報告書の○○って、
実は誰も見ていない数字なんじゃないかなと」
B「そういえばそうだね。
書式を簡単な形に見直すか、思い切ってやめても
いいかもしれないね」
上司から「やめる」提案があれば、部下はうれしく
心理的安全性が高まります。
しかし、部下からは、なかなかいいにくいものです。
「これはもう、やめるべきでは?」と発言したら、
周囲から「やる気がない」と思われてしまうかもしれません。
働き方改革とは、職場に「心理的安全性」を
高めることだと思います。
安心して改善提案を出せる雰囲気や
仕事を増えても他のことをやめてもらえる
雰囲気が心理的安全性を高めます。
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をつくる言葉55』
原田将嗣著を一部参考にしました。
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【編集後記】
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台風の影響はありませんでしたか。
これからの台風シーズンは現場から目が離せませんね。
私はダム現場にいたとき、雨の中何度も河川水位を
見に行ったことを思い出します。
くれぐれもご安全に。
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