なぜ「数字力」を高めると会議時間が短くなるのか【がんばれ建設2047】
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がんばれ建設
~建設業専門の業績アップの秘策~
ハタ コンサルタント株式会社 降 籏 達 生
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■2022年10月14日
NO2047
◆なぜ「数字力」を高めると会議時間が短くなるのか
私はよく、建設会社の会議に同席します。
その時よく聞くのは、「我が社の会議は長いのです」
という言葉です。
ではなぜ長いのかを観察していると、「数字力」の
低さが原因であることが多いです。
以下、会議でのやりとりです。
部長A「なぜ〇〇工事の原価が予算より上回ったんだ」
現場担当者B「資材単価が上がったことが原因です」
A「どの資材の単価が上がったんだ」
B「設備機器です」
A「どれくらい上がったんだ」
B「1品あたりはわずかですが、合計すると大きな
金額になります」
A「・・・・」
こんなアナログなやりとりをしているので、会議時間が
長くなっているのです。
この場合、次のように数字を用いて会話をする
必要があります。
部長A「〇〇工事の原価が予算を5%上回っているけれど
理由を聞かせて欲しい」
現場担当者B「まず〇〇資材の単価が7%したことです。
また、工期が長雨のため1ヶ月遅れる見込だったので
協力会社C社に5名の増員希望を出したところ、
募集経費10万円が必要になったことが原因です」
A「原価アップ分は、設計変更増額は可能なのか」
B「はい。現在資材アップ分として100万円の
設計変更協議書を作成しており、10月17日に発注者と
協議予定です」
この違いは「数字力」の有無です。
「数字力」とは、数字を使って意思決定への筋道を
立てる力のことです。
これは、どんな仕事をするうえでも最も本質的で
重要な能力であり、建設業では欠かせない能力です。
そのためには、仕事の問題を何でも数字で置き換える癖を
つけることや、生活の中で数字を意識したり、
数字で考えることを習慣にしていくことが必要です。
そうすれば、誰でも仕事で使える「数字力」を
身につけることが可能です。
私は、公共工事応札の際、提出が求められる
「技術提案書」の添削業務をよく依頼されます。
その際、以下の用語が使われていることが多いのです。
・・・を確実に施工する
・・・を周知徹底する
近隣住民に対して・・・
積極的に提案する
このような表現では評価が低くなります。
・・・を4回転圧する
・・・に対して入場時に1回、さらに毎月1回1時間教育する
現場から周囲5kmの住民に対して・・・
受注金額1000万円に1件の提案をする
のように数字を用いて記載する必要があります。
数字を使えば、「これは直感ではなく、客観的根拠がある」
と主張することができますし、後から検証することもできます。
技術者は、数字を用いて話すようにしたいものです。
『数字が苦手な人のための いまさら聞けない「数字の読み方」の超基本』
久保憂希也著を一部参考にしました。
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【編集後記】
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円安が進んでいます。
輸入建材の価格がさらに上がるおそれがあります。
今後の動向に注意したいものです。
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