社長ブログ

なぜ覆工コンクリ厚が30cm必要なのに4cmになってしまったのか【がんばれ建設2077】

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がんばれ建設 
~建設業専門の業績アップの秘策~
ハタ コンサルタント株式会社 降 籏 達 生
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■2022年12月27日
NO2077

◆なぜ覆工コンクリ厚が30cm必要なのに4cmに

なってしまったのか

私は山岳トンネル工事に従事した経験があります。

そのため、一般の方に、トンネルの堀り方を

よく聞かれます。

機械で掘ると思っておられる方が多く、

「山岳トンネルはダイナマイトを使って掘る」

というと驚かれます。

火薬を用いて発破をかけ、その後、覆工コンクリートを

打設するのですが、発破の精度が重要です。

大きく掘りすぎると覆工コンクリートが厚くなり

食い込んでしまいます。

逆に小さく掘ってしまうと、覆工コンクリート厚が

不足してしまい、出来形不足となります。

ところが豆腐を切るように発破をかけられないので、

どうしてもコンクリートが食い込んでしまい、

「ロスを減らせ」と上司によく怒られたものです。

日経コンストラクション(2022.12.23)に、

覆工厚が不足していた事例が書かれていました。

長野県上松町の県道上松南木曽線ねざめトンネルで、

覆工コンクリートの厚さが大幅に不足していたそうです。

設計上の厚さ30cmに対して、最も薄い箇所では

4cmしかありませんでした。

厚さ不足は、長野県が21年11月に実施した

定期点検で発覚しました。

覆工コンクリートをハンマーでたたいたところ、

コンクリート片が剥落し、厚さ不足が判明しました。

その後、対象工区のほぼ全域で電磁波探査と

削孔調査による詳細調査を実施しました。

詳細調査と補足的に実施した打音検査の結果を踏まえ、

繊維強化プラスチック製の剥落防止ネットを、

覆工の厚さが極端に薄い約175m2の

範囲に設置したようです。

正確に測量をする施工管理技術者と、

岩盤の様子を踏まえて、正確に穿孔し火薬量を決める

坑夫の技術と技能があいまって、良い品質のトンネルを

掘ることができます。

高い品質のトンネルを構築するよう

さらなる技術研鑽が必要だと思います。

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【編集後記】
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昨日は自社にてコロナ感染に注意しながら、

クリスマス会を開催しました。

久しぶりに全員が集まってたのしく過ごすことが

できました。

やはり顔を合わせて、大笑いすることは大切なことですね。

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