社長ブログ

品質不良が後を絶たない真の原因は何か【がんばれ建設2116】

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がんばれ建設 
~建設業専門の業績アップの秘策~
ハタ コンサルタント株式会社 降 籏 達 生
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■2023年4月10日
NO2116

◆品質不良が後を絶たない真の原因は何か

先日、北海道の高層ビルで品質不良があり、

すでに15Fまでできあがっていたビルを解体して

再度建築しなければならないという問題が発生しました。

また2021年には、河川工事現場で品質基準を

満たさない箇所が多数発見されたという問題も

発生しています。

いずれの事例も大手ゼネコンが元請の現場ですから、

しっかりと品質管理がされていたはずです。

ではなぜこのような問題が発生するのでしょうか。

上記案件の原因は不明なのでさておき、

よい品質プロセス(=良い仕事)の条件を考えてみます。

それは3つあります。

1)各担当者は担当する業務を確実に行う

2)後工程には完ぺきな作業結果のみを渡す

3)前工程から引き継ぐ作業結果は自分の業務に

 不都合がないか確認して受け取る

ある工事現場で、若手社員が機械の点検業務を

行っていました。

機械の計器を読み取り記録する仕事です。

そこで次のようなことが起きました。

1)異常値に気づかなかった

若手社員の点検記録簿を上司がチェックすると、

上限値を超える異常値が見つかりました。

若手社員はそれが「異常値」だとは教えられて

いなかったのです。

2)計器の不具合に気づかなかった

針が正常値を示していたので、若手社員は

その数値をそのまま記録しました。

しかし、実際は計器が不具合だったのです。

針がまったく動いていなかったので、

ベテランなら計器の異常に気付いていたことでしょう。

本質的な問題は、若手社員に点検業務の

「目的・意味」を理解させないまま

業務につかせていたことです。

そのため、点検者が点検業務を「仕事」ではなく

「作業」としてやっていたのです。

「その仕事の意味」、「自分の役割や責任」を

教えずに品質点検をすると上記のように

なってしまいます。

しかしそうなってしまういくつかの原因があります。

1)生産性向上が優先され、余裕がなくなっている。

生産性向上の名のもとに、ICTが導入され、

多くが自動化、機械化され、プロセスが見えにくく

なっています。

2)協力会社任せになっている

新材料、新工法などに高度な知識が必要に

なっており、品質管理が協力会社まかせに

なってしまっています。

3)工期が厳しく、手戻りが許されない

休日を確保するために工期が厳しくなっており、

不具合が出たときに、時間をかけて手直しを

する余裕がない。

4)働き方改革で、決められた時間内に仕事を

終わらせなければならない。

大きな品質問題が発生してしまうと、現場原価や

工程に影響が生じるだけでなく、

企業の信用失墜にもつながります。

「品質をつくりこむ」ということは

「よいプロセスの3条件を実現すること」です。

これを社内の統一認識としたいものです。

コーチングのトーチ藤田 信一著の

メールマガジンを一部参考にしました

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【編集後記】
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昨日は晴天のもと、サッカーの試合でした。

気持ちよい汗を流し、心身共に健康になりました。

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