KKD「経験と勘と度胸」は令和の時代でも重要なのか【がんばれ建設2125】
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がんばれ建設
~建設業専門の業績アップの秘策~
ハタ コンサルタント株式会社 降 籏 達 生
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■2023年5月8日
NO2125
◆KKD「経験と勘と度胸」は令和の時代でも重要なのか
建設業は、以前よりKKD「経験と勘と度胸」が
重要だと言われてきました。
現場で起きる大きな決断をする場合はもちろんですが、
日常のなかのあらゆる場面で、いま電話をするか
明日にするか、乗用車で行くか電車で行くか
といった具合に、迷う場面に遭遇します。
大した選択ではないと考えてしまいがちな、
ほとんど無意識のうちに選択しているようなことも、
現場にとってとても大きな選択につながることも
多々あります。
あのときに電話をしていなかったら、資材不足で
手待ちになっていたかもしれない、もしも乗用車で
移動していたら、多重追突事故に巻き込まれて
いたかもしれないなど、あとになって自分の「勘」が
正しかったと胸をなでおろすようなことが
あるのではないでしょうか。
技術者は理科系なので、「勘」でなく論理的に
物事を決めることが基本です。
しかし実際には、論理的に考えた上で、
最後は「勘」に頼ることが多いことでしょう。
「勘」というのは無意識になかで
頭にひらめくことですが、その根拠は
過去の経験に基づく「経験値」です。
「実体験」は年齢に比例しますが、「経験値」は
年齢とは比例しません。
「経験値」とは「実体験」に加えて、人の話を聞く、
現場を見る、そして読書によって高まります。
逆に言うと、実体験があったとしても、研修などを
通じて多くの人の話を聞いていなかったり、
他の人が施工している現場を見ていなかったり、
読書の習慣がない人は「経験値」が低いため、
「勘」が働かないです。
一方、経験値が高く、勘が働いたとしても、
不安になることはあるでしょう。
その時は「度胸」が必要です。
建設現場でもっとも困るのは「決められない」
ことです。
「決められない」建設技術者がいる現場は工期が遅れ、
利益も減ることでしょう。
つまり、令和の時代にあっても、「経験と勘と度胸」
のない人は建設業界では生き残っていけないでしょう。
勘が働かない人は、コンピュータやロボット、
生成AIなどに置き替わる運命にあるからです。
多くの経験値を積み重ね、勘が働き、度胸のある
建設技術者になりたいものです。
『人生の黄昏を黄金に変える「賢者のかけ算」』
井上裕之著を一部参考にしました。
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【編集後記】
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連休中に中森明菜さんのドキュメンタリー映画を観ました。
明菜世代の私にとって、懐かしい曲ばかりでした。
と同時に、他の歌手にない何かが胸に迫りました。
それは彼女の歌に対する使命感。
またその後体調が悪く、思い存分歌えなくなったことへの
切なさを感じたのかもしれません。
ふと横を見ると、同年代の女性が終始ハンカチを
目頭に当てながら観ておられました。
ご自身の人生と重ねて映画をご覧になっていたのでしょうか。
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