社長ブログ

社員数が何人になれば、人事評価制度が必要なのか【がんばれ建設★2126】

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がんばれ建設 
~建設業専門の業績アップの秘策~
ハタ コンサルタント株式会社 降 籏 達 生
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■2023年5月11日
NO2126

◆社員数が何人になれば、人事評価制度が必要なのか

社員数が増えれば、人事評価制度が必要になります。

少人数の場合は、社長が全員の顔を見ているので、

社長一人で評価しても問題がないでしょう。

では社員数何人から人事評価制度が必要なのでしょうか。

そもそも、人事評価制度の目的は、なにかを

考えてみましょう。

人事評価制度の整備や改善は、実は社員の

モチベーションを上げるための取り組みではなく、

本質的にはモチベーションを下げないための取り組みです。

そこを誤解してしまい、人事評価制度を整備・改善することで

社員のモチベーションを上げようとするケースが多くあるのですが、

これは、もっともよく見られる「落とし穴」パターンの

ひとつです。

モチベーションが下がるのは、「満たされないと腹が立つ」

ということです。

ただし、腹が満たされたところで、やる気は上がりません。

つまり、人事評価制度は、「満たされないと腹が立つ」

状態をなくすことが目的です。

人事評価制度がまったく整備されていない状態、

あるいは整備されていても次のような課題が

ある状態では、社員はやる気をなくしがちです。

・何を基準に、誰が評価しているかわからない状態

・評価結果と昇給については、給与明細をもらった時点でしか

 把握できないので、不安しかない状態

・評価面談が1年に1回しかなく、評価結果の

 説明を十分に聞けない状態

社員からこのような声が出るようになると、

課題解決のために人事評価制度を構築したり、

改良したりする必要があります。

・人事評価シートを作成

・評価結果の昇給への反映方法を明確にする

・評価面談を四半期に1回実施する

ことで、社員を安心させ、やる気をなくさないようにできます。

ただし、先ほど書いたように、やる気がマイナスから

ゼロの状態に戻るだけで、プラスの領域にまで

高まるわけではないことです。

さて、会社を創業し、社員数が10人くらいに

成長してくると、

「うちには人事評価制度がないので、

そろそろ人事評価制度をつくったほうが

いいのではないか?」

などと社員や幹部から社長に提案が出てきます。

しかし人事評価制度を作成する際の、デメリットがあります。

1:人事評価シートの作成・評価・集計コストが かかる

2:人事評価制度で出てきた点数が社長の評価

イメージと合わなければ、結局は社長が修正する

そのため、社員数10名くらいであれば、社長の

あたまの中だけでの評価で十分です。

ただしその場合でも、社長が自ら社員の様子を

しっかり観察し、少なくとも年4回程度は

個人面談をする必要があります。

もっと大切なことは、社長が社員から信頼、

尊敬されていることです。

そうであれば評価結果への社員の納得感も高く、

評価コスト0円の最高の人事評価制度です。

ところが、社員数が20人を超えてくると、社長

一人では見切れなくなります。

すると次の事象が起きます。

1:社長がいてもらいたい社員が辞めてしまう

仕事がダントツにできる社員はよいのですが、

NO4,5当たりの社員が、

「自分は、もっと給与をもらうべきでは?」

などと社長の評価に疑問を感じるようになり、

結果、退職する人も出てくるでしょう。

2:まじめに仕事をしていない社員の発生

(やる気なし・手抜き社員が増えてくる)

社長が正しく評価できなくなると、

「真面目に仕事をしても、給与はそんなに上がらない」

「成果を出しても、賞与がたくさんもらえない」

などと感じ、仕事の手を抜いたり、やる気がないまま

仕事に取り組んだりする社員が発生してきます。

これら1,2の事象が起き出すタイミングで

人事評価制度の構築が必要となります。

これは若手社員の離職防止方法としても有効な手段です。

『人事評価制度 17の大間違い』白潟 敏朗著を

一部参考にしました。

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【編集後記】
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昨日まで、技術提案書作成セミナーを実施していました。

評価の高い技術提案書の作成は、建設会社にとって

最重要課題ですので、受講者の熱心さが際立っていました。

そうなるとこちらもさらに熱意が高まります。

熱い2日間でした。

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