成果を上げる建設技術者はなぜ多重人格なのか【がんばれ建設★2129】
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がんばれ建設
~建設業専門の業績アップの秘策~
ハタ コンサルタント株式会社 降 籏 達 生
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■2023年5月12日
NO2129
◆成果を上げる建設技術者はなぜ多重人格なのか
成果を出す建設技術者は「多重人格」です。
ここでいう多重人格とは、ある時は「厳しく」
しかし、またある時は「優しい」人など、人格を
「意識的に切り替える多重性」です。
私がゼネコン在職中に仕えた現場所長のFさんのお話です。
Fさんは厳しい人で私は毎日のように叱られていました。
「測量が遅い」
「図面がわかりにくい」
「協力会社への指示の仕方が悪い」
などです。
私は毎日気が重く、Fさんとできるだけ目を
合わさないようにしていました。
しかしその現場は山奥で、全員が飯場で泊まり込みでしたので、
24時間一緒にいなければなりません。
週末になると妻帯者は山を下り、自宅に帰ります。
私は独身でしたので、飯場に残っていました。
しかし、Fさんは妻帯者にもかかわらず、現場に残っています。
私は「週末もFさんと一緒か」と気が滅入りました。
そんな土曜日のこと。
Fさんは午後、事務所からいなくなりました。
どこにいるのかと探すと、なんと厨房にいるのです。
そして山で採ってきたタラの芽を天ぷらにし、
朝早くに川にでかけて釣り上げた山女魚を焼いているのです。
夕方食堂に行くとエプロンを着けたFさんが、
笑顔で
「1週間ご苦労さん。
タラの芽と山女魚で一杯やろう」
と言うのです。
私は、いつものこわい表情とあまりにも異なる
Fさんの笑顔が信じられず、
「二重人格」ではないかと本気で思いました。
しかしタラの芽や山女魚はとてもおいしく、
楽しい時間を過ごしました。
そのことで、1週間、叱られ続けたモヤモヤした気持ちが
吹っ飛んだことをよく覚えています。
今思えば、Fさんは意識をして
「厳しさ」と「優しさ」を演じていたのでしょう。
私はこのような切替ができる「多重人格者」
こそが大所長になれるのだと思いました。
イギリス元首相のマーガレット・サッチャーは
「考えは言葉となり、言葉は行動となり、行動は習慣となり、
習慣は人格となり、人格は運命となる」
と言っています。
Fさんは、現場をうまく運営するために、厳しく、
かつ優しくしなければならないと考えていたのでしょう。
その多重な言葉を使い、行動し続けることで
2つの人格を使い分ける習慣が身についたのだと思います。
意識して「多重人格者」を演じられる人に
なりたいものです。
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