設計や工事の損害賠償責任は何年続くのか【がんばれ建設2152】
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がんばれ建設
~建設業専門の業績アップの秘策~
ハタ コンサルタント株式会社 降 籏 達 生
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■2023年7月14日
NO2152
◆設計や工事の損害賠償責任は何年続くのか
建設コンサルタント会社に6億円を超える
損害賠償を命じた阪神高速大和川線工事を
巡る訴訟がありました。
事の発端は、阪神高速大和川線のたて坑工事で
隣接部を掘削するとコンクリート造のたて坑本体が
滑動・転倒する恐れがあると判明したことです。
大阪高裁判決では、府と設計者の双方に過失が
あったとしたうえで、その割合を4対6と認定。
府が受けた損害額の6割と遅延損害金を合わせた
約6億2000万円を支払うよう設計者に命じました。
なお、この案件の場合、設計ミスがあったとは
判決で認めていません。
設計者の責任が問われたのは、府への説明義務違反が
あったからです。
対策を取らずに隣接部を掘削すると、たて坑が
滑動・転倒する恐れがあるのに、その説明を
怠っていたことが、不法行為と見なされました。
建設コンサルタント会社が受注した設計業務の
契約金額は約2800万円。
その20倍を超える損害賠償を命じられたことになります。
このような賠償責任は、いつまで負わないと
いけないのでしょうか。
公共工事の契約約款では工事の場合、引き渡しから2年、
設計などの場合は引き渡しから2年
または3年となっています。
契約約款では、故意または重過失があった場合
民法の規定を適用すると定めています。
民法では引き渡しから10年、または契約不適合を
知ってから5年と設定しています。
それでは、引き渡しから10年を過ぎれば、
責任を問われないのでしょうか。
実は、そうではありません。
上記案件のように、不法行為責任があるからです。
契約の有無にかかわらず、不法行為によって
相手に損害を与えれば賠償責任を負います。
不法行為責任の時効は最大20年と、
契約不適合責任の2倍に及びます。
会社に大きな損失を与えないよう配慮して
施工すべきですし、「説明責任」の重大性を改めて
感じました。
「日経クロステック/日経コンストラクション」
青野 昌行著2023.07.14の記事を一部参考にしました。
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【編集後記】
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あすは、社員さんとそのご家族と一緒に
海沿いでバーベキューをする予定です。
楽しみです。
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