社長ブログ

ベテラン社員の知恵を現場でどう活かせば良いのか【がんばれ建設2151】

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がんばれ建設 
~建設業専門の業績アップの秘策~
ハタ コンサルタント株式会社 降 籏 達 生
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■2023年7月12日
NO2151

◆ベテラン社員の知恵を現場でどう活かせば良いのか

アフリカに「一人の老人が死ぬことは、一つの図書館が

なくなることと同じ」という諺(ことわざ)があります。

老人は、一生の間に一冊の本も読んでいなくても、

目で見て、嗅ぎ、手で触り、耳で聞き、舌で味わった、

膨大な情報(非言語情報)を蓄積してきたのです。

これは、ベテラン社員がこれまで施工してきた

現場経験が、体の中に膨大な情報として

蓄積されているということでしょう。

ベテラン社員が持っている暗黙知(言葉等に表せない情報)

を形式知(言葉等にして表現できる情報)

にすることは大切なことですが、すべてのことを

文書化して残すことはできません。

だからこそ、若手社員はベテラン社員と共に

仕事をしながら接することで、暗黙知を

盗み取ることが欠かせません。

よく言われている「背中を見て学ぶ」ということです。

私が熊谷組勤務時代にベテラン社員から

盗み取った暗黙知は次のようなことです。

・細骨材を口に入れて、舌触りを感じることで

粗粒率を知る技術

・今降っている雨が、許容降雨強度を

超えているかどうかを判定し、

コンクリート打設可否を判定する技術

実際に、熊谷組には、砂を口に含んだだけで

粗粒率が分かるベテラン社員がいましたし、

上を向いて目に入る雨の量から雨量強度が

分かるベテラン社員がいました。

そんな方々から学んだことは私の財産です。

ちなみに、私は今でも粗粒率も雨量強度も

計測器がなくてもわかります。

「雪が解けたら何になる?」と小学校の先生が

子どもたちに聞いたところ、ほとんどの子どもたちは

「水になる」と答えました。

しかし、たった一人だけ「春になる」と答えた

子どもがいたのです。

先生はその答えに✕をつけましたが、この先生

にこそが✕なのでしょう。

肌で感じる知恵こそが建設現場で欠かせない

能力だと思います。

『ツキの波』竹内一郎著を一部参考にしました。

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【編集後記】
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暑い日が続きます。

暑さの耐性が低い今こそ、くれぐれも熱中症に

お気を付けください。

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