なぜ、少し無理をさせると、人は育つのか【がんばれ建設2162】
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がんばれ建設
~建設業専門の業績アップの秘策~
ハタ コンサルタント株式会社 降 籏 達 生
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■2023年8月18日
NO2162
◆なぜ、少し無理をさせると、人は育つのか
「無理をさせ、無理をするなと、無理をいう」
という私のことばがあります。
人材育成の基本は、「無理をさせる」ことだと思います。
無理をせずに人が成長することはありません。
あたかも、筋トレで筋肉に負荷をかけると
筋肉痛になるようなものです。
無理のない範囲で筋肉に負荷をかけても、
筋肉は増えません。
部下に無理をさせたうえで、「あまり無理をするなよ」
と「無理」なことをいうのが上司の役割です。
城山三郎さんが著した『少しだけ、無理をして生きる』
には次のような文章があります。
「プロの作家としてやっていくのだから、
いつも自分を少しだけ無理な状態の中に
置くようにしなさい」
「少しだけ無理」というのがいいですね。
たとえば、現場の改善提案な創意工夫について
アイディアやインスピレーションが湧いたから
改善提案を書く――これは無理しておらず
自然のままの状態です。
しかしこれではいつまでたっても、新たな提案を思いつきません。
「少し無理をする」というのは、何かがパッと
ひらめいくのを待つというのではなく、
インスピレーションを生み出すように
絶えず努力しなくてはならないということです。
負荷をかけ、無理をしなくてはいけないのです。
ただし、夜も寝ずに考えるというのでは、
長続きしません。
だから「少し無理をする」のです。
資格試験の勉強においても、仕事がひまになったら
勉強するという人がいます。
この人は無理をしていません。
しかし、それではいつまでたっても合格しないでしょう。
少し無理をして、お昼休みに勉強するとか、
休日に図書館に行くとかしなければ、資格試験に
合格することはできません。
昨今、働き方改革やハラスメント規制などが叫ばれ、
若い人に無理をさせてはいけない、という風潮があります。
私は若手社員にこそ「少し無理をさせる」
必要があると思います。
その結果、成長すれば、その若手は
「この会社にいれば成長できる」と考え、
永く働くことでしょう。
一方、上司が若手社員に「無理するな」と言い続け、
負荷をかけないと、若手は成長を実感できず
「この会社にいても成長できない」と考え辞めてしまうでしょう。
人材育成のコツは「少し無理をさせる」ことです。
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【編集後記】
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お盆休み中は新幹線が台風の影響で不通になり、
大混雑になりました。
日本列島を縦断する大動脈が1本の新幹線だけでは
大きなリスクです。
このようなことが起きるとリニア中央新幹線の
必要性を改めて感じます。
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