社長ブログ

なぜ建設技術者にはKKD(経験と勘と度胸)が必要なのか【がんばれ建設2184】

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がんばれ建設 
~建設業専門の業績アップの秘策~
ハタ コンサルタント株式会社 降 籏 達 生
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■2023年10月18日
NO2184

現場で「結果を出す人」と、「出せない人」がいます。

ここでいう結果を出す人とは、

品質、原価、工程、安全、環境の5分野に対して、

お客様の要望を超える成果を出す人です。

ではこの両者は、何が違うのでしょうか。

「結果を出す人」と「出せない人」の

差がはっきり現れるのは、

現場で問題が起きたときです。

例えば、掘削していたら

想定よりも大量の出水があったとしましょう。

すると、協力会社の職人から

「監督さん、どうしますか」と聞かれます。

このとき、次の3種類のうち、

どのタイプなのかによって結果に差が出ます。

A・・・長い時間考え込んで、なかなか決めきれないタイプ

B・・・すぐに答えを出すタイプ

「まずは、2インチのポンプ3台で排水してみよう」

などと、とりあえず決めるタイプ

C・・・自分で結論を出せないからと、

上司に相談したり、決めてもらったりするタイプ

まず、どのタイプが

一番結果を出せないかというと、

Cの「すぐ答えを聞くタイプ」です。

このタイプは、一見人から話を聞いていて

賢い選択をしているように見えますが、

自分の頭で考えずに、なんでも人に聞いて、

自分で判断する習慣がないタイプです。

それに対して、AやBは

「自分の頭で」判断をしています。

なかなか決めきれなくても、

間違った結論であったとしても、

自分で判断しています。

自分の中で結論を出し、

自分で決める習慣ができているので、

ここ一番でも自分で選択することができるのです。

そのうえで、AタイプとBタイプは、どちらのほうが

「より伸びる」タイプでしょうか。

それはBタイプです。

Aタイプの方は、

長い時間考えていることから、しっかりと

悩むことができていることがわかります。

考える習慣があるのはとてもいいことなのですが、

「悩み」の中には、結論が出せない問題もあります。

「どの工法がよいのか」

「いったいどれほどの量の水が出ているのだろう」

など、実際には

正確に答えが出せないことも多いのです。

「後悔しない選択をしよう」

なんてよく言いますが、これは無理な話です。

方法を選択した後に、

もっといい方法を思いつくことあるでしょう。

また、選択した方法がベストかどうか

わからないこともたくさんあります。

建設技術者がすべきことは、

「後悔しない選択をする」ことではなく、

その時々における「最善だと思う道を選ぶ」

ことだと思います。

古くから建設技術者に必要な資質は

KKD(経験、勘、度胸)だと言います。

これまでの経験をもとにして、勘で結論を出し、

その上で度胸を持って進めることが欠かせないのです。

『東大モチベーション?勉強のやる気が

すぐ起きて→ずっと続く方法』西岡壱誠著を

一部参考にしました。