個人情報が漏れると、なぜ契約解除や資金未回収となるのか【がんばれ建設2185】
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がんばれ建設
~建設業専門の業績アップの秘策~
ハタ コンサルタント株式会社 降 籏 達 生
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■2023年10月20日
NO2185
◆個人情報が漏れると、なぜ契約解除や資金未回収となるのか
建設工事に関して、
個人情報の取扱が不十分で、
問題になることが増えてきました。
個人情報の保全を怠ると
工事進行の支障となります。
今回は、実際にあった
問題事例を3つご紹介します。
◆職人が施主の職業を漏らしてしまって、契約解除
地鎮祭の準備をしていたときのことです。
近隣住民が職人に聞きました。
「このおうちのお施主さんは
何をされている方なのですか」
すると職人は
「お医者さんですよ」
と気軽に答えてしまいました。
少し離れた場所で会話を聞いていた建て主は、
「顧客の個人情報を第三者に漏らすとは」
と激怒し、契約打ち切りとなりました。
◆SNSで施主情報をつぶやき問題が重大化
ある住宅設計者が、
仕事の様子をブログ書いていました。
ある日、
施主との間で問題になっていることを
施主の名前は匿名にして書きました。
しかし施主は
自分のことを書いていると気づき、
さらに問題がこじれてしまいました。
◆リフォーム案件で施主の承諾を得ず
寝室に入り工事代金支払い拒否
リフォーム会社の現場担当者は、
既存居室の寝室に火災警報器を設置する
工事をすることになりました。
その日、寝室に入って工事をすることは
事前に夫妻の承諾を得ていませんでしたが、
中学生の子どもが留守番をしていたので、
子どもに断って作業をしました。
ところが
後で作業を行ったことを知った夫妻は、
「客が不在の家に無断で寝室に忍び込んだ」
と激高し、工事費の残金の支払いを拒んだのです。
工事担当者にとっては
「これくらい、いいだろう」と思うことでも、
人によっては「重大な個人情報」であり、
人に知られたくない気持ちが強いものです。
また近年、施工管理技術者として
派遣社員が担当する工事が増えています。
派遣社員とはいえ、
実際には社員と同等の仕事をし、
また個人情報に容易に触れることができます。
施工管理技術者のみならず、
協力会社の職人、派遣社員にも、
個人情報の重要性をよく伝えておきたいものです。
日経クロステック谷川 博著2023.10.11
の記事を参考にしました。