自治体が総合評価方式で求めていることは何か【がんばれ建設2188】
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がんばれ建設
~建設業専門の業績アップの秘策~
ハタ コンサルタント株式会社 降 籏 達 生
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■2023年10月27日
NO2188
◆自治体が総合評価方式で求めていることは何か
公共工事では、総合評価落札方式で
受注する企業を決めています。
制度の導入当初は、技術点は
技術提案や応札企業・配置予定技術者の実績・工事成績
が主な加点対象でした。
その後、担い手確保などを目的として
若手活用や災害時の活動実績を加点する
試行が拡大しています。
さらに近年は
建設キャリアアップシステムの導入拡大から
脱炭素の推進まで、政策目標を実現する
便利なツールとしての活用が定着しました。
国土交通省の各地方整備局や自治体、
高速道路会社などの主要発注者85機関が
総合評価落札方式の加点対象に設定している項目を、
日経クロステックが2023年8月に
アンケート調査しました。
対象項目として採用している自治体が
多い順に以下のとおりです。
・若手技術者の配置
・女性技術者の配置
・週休2日(4週8休)の実績
・ICT活用工事の実績
・「ワークライフバランス」に関する認証
・建設キャリアアップシステムの導入
・新卒、離職者の雇用実績
・脱炭素への取組
・賃上げ
・新分野進出
・健康経営優良法人認定
また、個別の発注機関が定める加点項目は
以下のように様々あります。
・技術者や技能者の労働環境の改善
・雇用の促進
・地域貢献
・ボランティア活動、除雪業務実績
・SNS(交流サイト)を活用した建設業の魅力発信
・企業型確定拠出年金の導入
・賃上げ加点
(従業員の年間給与を3%(中小企業は1.5%)
以上引き上げると表明した企業に点数を付与)
一方で中小建設会社からは、
若手や女性を採用できず、これら加点項目に対して、
対応する余力のないという声が出ています。
今後、労働環境・条件の改善や
環境対策の推進役を公共工事に求めるのは
世界的な潮流になりつつあります。
これらの動きを注視しながら
施策を進めていきたいものです。
日経クロステック/日経コンストラクション
夏目 貴之著、青野 昌行著の記事を
一部参考にしました。(2023.10.18)