「期限に間に合いませんが、残業しないのは権利ですので帰ります」は許せるのか【がんばれ建設2190】
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がんばれ建設
~建設業専門の業績アップの秘策~
ハタ コンサルタント株式会社 降 籏 達 生
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■2023年11月1日
NO2190
◆「期限に間に合いませんが、残業しないのは権利ですので帰ります」
は許せるのか
上司「手順書作成の期限は今日だが、どうなっている?」
部下「まだできていませんが、残業せずに帰るのは
当然の権利ですので、帰宅します」
上司「できていないのなら、残業してでもやらないとダメだろう」
部下「入社時の説明で、『当社は残業ゼロ、休日出勤ゼロ』
と言われました」
こんなやりとりがあると、上司は頭にくるだろう。
ここで、「責任、権限、義務」を考えてみましょう。
◆責任
責任とは、任された職務をまっとうすることです。
手順書を作成する仕事を依頼され、
期限までに作成するのは社員の責任です。
◆権限
権限とは、仕事を実施するために
経営資源を活用できることです。
自分ひとりで手順書を作成できないとすると、
上司に相談したり、支援を得たり、サーバーに
入っている過去の手順書を活用するのは、社員の権限です。
◆義務
義務とは、仕事の進捗報告や結果報告をすることです。
経営資源を活用する場合の説明義務も含まれます。
社員が上司から、手順書の作成依頼をされた場合、
中間報告をする義務があります。
途中でどうしても間に合わない状況になった際には、
そのことを事前に上司に報告するのが義務です。
その上で、社員の権限である上司や仲間の支援をうけて、
期限に間に合わせる必要があります。
「あの手順書どうなった?」
と上司から確認されるようでは
報告義務を果たしているとは言えません。
進捗報告、結果報告は仕事の基本です。
だから任された仕事が終わってもいないのに、
進捗報告もせず、定時が来たから帰宅しようと
するのは大きな問題です。
昨今、採用数を増やすために
「残業ゼロ、休日出勤ゼロ」と言って
採用する場合があります。
だからこそ、上記の「責任、権限、義務」の説明を
上司が部下に対して、十分説明する必要があるでしょう。
東洋経済オンライン 横山 信弘著2023/10/16
の記事を一部参考にしました