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がんばれ建設
~建設業専門の業績アップの秘策~
ハタ コンサルタント株式会社 降 籏 達 生
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■2025年7月4日
NO2412
◆360度評価で人が育ち納得感の高い評価ができるのか
現場で働く技術者の皆さんに、こんな思いはありませんか。
「頑張っているのに正当に評価されていない気がする…」
「上司の主観だけで判断されているのでは?」
「後輩の指導が適切か、誰かに見てもらいたい…」
そんな悩みを解決する仕組みの一つが
「360度評価」です。
これは、上司だけでなく、同僚や部下など、
複数の立場からのフィードバックを取り入れて、
個人を多角的に評価する制度です。
現場でのコミュニケーション力、チームワーク、
協調性など、数字には現れにくい力を
“見える化”できる点が注目されています。
◆360度評価がもたらす主な効果
【1】評価の公平性を確保
複数の目線からの評価により、
一部の上司だけによる評価の偏りを
防ぐことができます。
【2】個人の成長につながる
「指示がわかりづらい」「協力的で助かる」など、
日々の行動に対する
具体的なフィードバックが得られ、
自己改善のきっかけになります。
【3】チームのエンゲージメントが高まる
互いに評価し合うことで、
組織の中に信頼と協力の文化が生まれます。
◆一方で、運用には注意も必要です。
特に、建設現場のような多忙な職場では、
負担の大きい制度になってしまう恐れも
あります。
そこで今回は、
「360度評価を現場で成功させるための
5つのポイント」をご紹介します。
◆360度評価、失敗しない5つのポイント
【1】目的を明確にする
「人材育成なのか、人事評価の参考なのか」
制度の目的を明確にしないと、
現場は混乱します。
評価者・被評価者双方が納得できる
目的を共有しましょう。
私は人材育成を主たる目的にするのが
よいと思います。
【2】ルールと基準を整備する
評価者によるバラつきを防ぐため、
明確な基準をガイドラインとして文書化。
評価は原則匿名とし、
安心して本音が言える環境を整えましょう。
【3】全員への事前説明を徹底
評価を受けるだけでなく、
評価する側にも回る制度である以上、
全従業員にその意義や方法を丁寧に説明し、
理解と協力を得ることが重要です。
【4】評価項目は少数精鋭に
項目が多すぎると、評価者の負担が増え、
精度が落ちます。
現場に必要な「安全意識」「報連相」
「リーダーシップ」など、
重要項目に絞って設計しましょう。
私は「業績への寄与」「顧客対応」「社内対応」の
3項目で、5段階評価をするのが良いと思います。
【5】評価後の面談で行動改善へ
評価結果を伝えるだけで終わらせず、
フィードバックを元に行動を変える
サポートを行いましょう。
「伝えて終わり」ではなく、
「育てて活かす」ための面談が肝です。
建設業は「人」が資産です。
評価は“査定”だけでなく、
“成長”のためのツールに変わります。
現場の雰囲気をより良くし、
次世代技術者の育成にもつながる360度評価。
まずは一部部署や若手チームでの試行から
始めてみてはいかがでしょうか。
私が共著で執筆した書籍
「『建設会社の賃金管理』~これだけは知って
おきたい!~」では、建設業に合った
賃金制度と評価制度を解説しています。
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【編集後記】
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ハタ コンサルタント株式会社も
360度評価を実施しています。
途中うまくいかないことがあり、
何度も修正しましたが、現在は運用できています。
皆さんにもお勧めします。
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社長ブログ