現場社員一人あたり粗利150万円を超える手法とは【がんばれ建設2203】
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がんばれ建設
~建設業専門の業績アップの秘策~
ハタ コンサルタント株式会社 降 籏 達 生
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■2023年12月4日
NO2203
◆現場社員一人あたり粗利150万円を超える手法とは
国際通貨基金(IMF)の最新予測によると、
2023年の日本の名目GDPはドルベースで
前年比0.2%減の4兆2308億ドル(約633兆円)となり、
人口が約3分の2のドイツ(8.4%増の4兆4298億ドル)
に抜かれ、4位に転落します。
1位は米国で26兆9496億ドル、
2位は中国で17兆7009億ドルです。
日本のGDPが低くなった理由の一つが、
労働生産性の低さです。
日本の労働生産性は、OECDに加盟している
36カ国中20位とかなりの下位なのです。
ちなみに、労働生産性とは、
言い換えれば1人あたり粗利益です。
労働生産性が低い原因の一つは、
人財の流動性の違いと言われています。
GDP3位となるドイツは人財の流動性が高く、
より必要な場所に必要な人財が集まる仕組みです。
一方日本では、人手不足と言われている中、
人財の配置に偏りが多いと言われています。
建設業界において、人財配置の偏りをなくし、
労働生産性を高めるためには、次の方法があるでしょう。
1)多能工化の推進
土木、建築の垣根を低くし、土木/建築技術者が
建築/土木工事をできるようにする必要があります。
また、土木工事の中でも、
トンネル、ダム、都市土木などと分けて
専門家を育成するのではなく、
多くの工事を施工できるように育成すべきでしょう。
2)人に仕事を付けるのではなく、仕事に人を付ける
日本ではどうしても人に仕事がつきがちです。
「この仕事は〇〇さんしかできない」という仕事です。
行うべき仕事を明確にし、
標準化、マニュアル化を進めないと
社内で人を異動させられません。
そのためには、
キャリア別、職種別の必要能力一覧の作成が必要です。
以下にて、建設版モデル必要能力一覧表を
見ることができます。
3)新卒一括採用の慣習を止める
例えば、本来は中小企業で働くほうが
能力を発揮できるような人財でも、
大企業が新卒一括採用時に確保してしまいます。
しかし、地元志向の方や、小規模工事であっても
現場トップでリーダーシップを発揮したいという若手には
中小建設会社の方が適しています。
そんな人たちを採用できるよう、ホームページを
中小建設会社の強みがわかるような内容に見直したり、
採用戦略を構築することが大切です。
以前より、現場で働く社員1人あたりの粗利益は
150万円/月程度が必要と言われています。
これを高めるためにも、
これまでの常識にとらわれない人財戦略を構築したいものです。