語彙力が低い建設技術者の末路【がんばれ建設2209】
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がんばれ建設
~建設業専門の業績アップの秘策~
ハタ コンサルタント株式会社 降 籏 達 生
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■2023年12月18日
NO2209
◆語彙力が低い建設技術者の末路
私はこれまで20万人以上の方の
建設技術研修を行ってきましたが、
受講される方の語彙力不足に直面することがよくあります。
◆例えば「目的」「目標」「計画」を
立案する演習をする場面です。
多くの場合、
「目的」と「目標」の違いを理解していません。
目的は「最終的に成し遂げたいこと」で、
目標は「その目的を達成するための指標」のことを指します。
さらに「計画」とはその目標を達成するために
実際に行う行動を計画することです。
例えば原価管理を取り扱うのであれば、
目的は「利益を確保することによる会社の繁栄」
目標は「粗利益率20%」
計画は「全工種3社相見積もりを取る、VE提案を3案考える」
となります。
ところが、「目的」として利益率をあげる方や、
「計画」に到達点(利益率や原価低減額)を
あげる方がいます。
「目的」が不明確だと
原価低減のモチベーションが上がりません。
また計画に到達点をあげていると、
目標達成のための行動が計画されておらず、
その結果目標未達成となってしまいます。
◆施工計画書に「確実に施工する」という表現が
書かれていることをよく見かけます。
例えば、
「コンクリートにジャンカが発生しないように、
確実に締め固める」という表現です。
これではどのように施工しようとしているのか分かりません。
「コンクリートにジャンカが発生しないように、
起振力が通常の2倍である〇〇バイブレーターを使用する」
と計画しなければなりません。
◆「周知徹底する」という表現もよく見かけます。
例えば、
「事故を防止するため、ダンプトラックが時速20km/h以下にて
走行するよう、運転手に周知徹底する」という表現です。
事故を起こさないよう、
低速で走行させることは良いのですが、
それをどのようにして運転手に周知するのかが不明確です。
周知;「毎月1回1時間の安全教育を実施する」
徹底;「ダンプカーの速度を計測し、20km/h以上で走行している場合、
1回目は再教育、2回目は退場処分とする」
とするのがよいでしょう。
ではどうすれば語彙力が上がるのでしょうか。
それは読書がもっとも効果的です。
毎月1冊読むだけで語彙力は向上します。
書籍は、著者が書いた文章を編集者が何度も校正するので、
誤った表現はほぼありません。
それに対してネットにあふれている文章は、
あまり推敲せずアップしているものが多いので、
参考にならないことが多いです。
このように書くと
「時間がないので、本を読めない」と言われることがあります。
それは誤っています。
「本を読まないから、時間がない」のです。
本から時間の効率化手法などを学んでいないので、
時間を無駄に使っているのです。
語彙力を高めないと、
作成する書類の説得力があがらず、
スムーズに現場運営できません。
ぜひ毎月1冊の読書をすることで語彙力を高めましょう。